相談できる味方がいない…地主を悩ませる「孤独」の問題 (2/3ページ)
――代々受け継いできた土地を売ることに対して抵抗を示す地主もいらっしゃるのではないですか?
松本:みなさん最初は抵抗感があるようです。でも、先祖代々といっても先祖の誰かが取得した土地ですからね。売って終わりは良くないですが、売って別のものと交換していけばいいんじゃないかと考えています。
―― 一方で、地主は相談できる人が少なく孤独な印象も受けました。
松本:おっしゃる通りですね。悩みがあっても自分が相談することで情報がどこかに漏れるのが怖くて相談できない人もいますし、知り合いや親族が原野商法に騙された話を聞いて、「自分は騙されるものか」とそもそも人の話をシャットダウンしてしまう人もいます。
正しい知識があれば相談することも怖くないですし、誰かの話をすべてシャットダウンする必要もないはずなのですが、誰も信じられないとか味方がいないという孤独感を持っている地主さんは多いはずです。
――本書のメッセージとしては土地を遊ばせずに活用しましょうというのと、相談できる人を作りましょうというのがあるのですか?
松本:土地活用については私じゃなくてもいろんな人が言っていますからね。「信頼できる味方を作りましょう」というのが今回の本の最大のメッセージです。
地主って中小企業の経営者と似ていて、税理士とか銀行とかいろいろな人と付き合いがある一方で、事業全体について包括的に話せる人があんまりいないんですよ。そういう人を作るといいですよ、というのはお伝えしたいですね。
――「相続税対策」ばかりに必死になって「経営の改善」という視点が抜け落ちている地主が多いという指摘は納得できるものでした。相続税対策という「守り」に重心を置きすぎることの弊害について教えていただきたいです。
松本:その場しのぎの決断をしやすくなると思います。たとえば、相続対策で10億円くらいの物件を買って賃貸で家賃収入を得ましょうとなったときに、10億円のビルを1棟買えば納税額はだいぶ圧縮できます。