戦前にもあった食品偽装事件。高級料理「カレー」が国民食となった驚きの理由とは? (2/4ページ)
価値が低かった国産のカレー粉
一方、日本で初めて発売された国産のカレー粉は、1905年(明治38年)に大阪の薬種問屋「今村弥」が開発したものでした。
この会社は、インドから輸入されたスパイスを使って、日本人の味覚に合わせたカレー粉を作りました。
しかし当時の日本では、先述の通りカレーは西洋料理として認識されており、イギリス製のカレー粉こそが本物だというイメージが強くありました。
そのため、国産のカレー粉は、C&Bカレー粉に比べて劣っていると見られていたのです。
そんな中で起きたのが、C&Bカレー粉偽装事件でした。
これは東京の食品卸売業者が、C&B社の缶に国産の安価なカレー粉を詰め替えて販売していたことがばれて、警視庁に摘発されたというものです。
この業者の手口は、空っぽのC&B社の缶に国産のカレー粉を入れて再び封をするというものでした。偽装はかなりの長期間にわたって行われていたようです。
思い込みからの解放とカレーの普及この事件は大きなニュースとなり、社会的な衝撃を与えました。特に驚いたのはプロの料理人やカレー愛好家です。彼らは、C&B社の缶に国産のカレー粉が入っていても味の違いが分からなかったことにショックを受けました。
C&B社のカレー粉こそが最高級品で、国産のカレー粉は劣っているいう思い込みが打ち砕かれてしまったのです。
