日本が「失われた30年」を抜け出すために必要な「知財ミックス」とは (2/2ページ)

新刊JP

■アップルが「ホテル事業」に参入するのは不自然ではない

では、海外企業はどのような知財ミックスを行っているのだろうか。
iPhone、iPadなどを手掛けるアップルの知財ミックスは大胆かつユニークだ。性能、機能、デザインともに未来を先取りするかのような商品、サービスを発表しつづけ、全世界にファンがいるアップルは、世界でもっとも強いブランド力を持っている企業の一つである。

そのアップルが今参入しようとしているのが、ホテル事業だ。
意外に思えるかもしれないが、「人の五感を日常的に包み込むことで、徹底して快適で豊かな生活空間をつくりだす」という同社のビジョンからすると、快適さが一つの価値となるホテルへの参入は不自然ではなく、それどころかむしろ極めて自然なことである。

アップルはテキサス州に建設中の新社屋内にホテルの開業を計画しているという。世界中にファンを持ち、ビジョンが明確なアップルのような企業には膨大な数の訪問者がやってくる。彼らのために、社屋とつながっているホテルを作ろうというわけだ。

このホテルはApple Vision ProやApple Watch、AirPodsなどのウェアラブルデバイスが標準装備。ファンと五感でつながり、徹底した心地よさを提供するものとなっている。アップルの持つブランド力やビジョンといった知財を組み合わせて価値を生み出そうとしている好例である。

本書ではアップルの事例以外にも、自社の持つ知財を利用して新たな事業を作り価値を生み出した世界的に活躍する企業の事例を多数紹介するとともに、自社の中に眠る知財の見つけ方、それらをどう価値に結びつけるかといった点についても考察されている。

知財ミックスは決してアップルのような世界的なブランド力を持っている企業にしかできないわけではない。そのチャンスと素材は多くの会社に眠っている。本書を読めばそのことがわかるはずだ。

(新刊JP編集部)

「日本が「失われた30年」を抜け出すために必要な「知財ミックス」とは」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る