博物館&記念館の達人が選出!食欲&芸術の秋に訪れたい!全国ぶっとびミュージアム47

日刊大衆

青函トンネル記念館
青函トンネル記念館

 歴史的な猛暑に見舞われたこの夏。外出を控えた人へ、行楽シーズンに行く一風変わった珍名所をご紹介!

 今年の秋は、ちょっと変わった体験がしたいそんな読者諸兄の好奇心を満たす博物館や記念館が、全国にはたくさんある。

 今回は、有識者の声を参考に、47都道府県の面白スポットを総力取材(最終ページからの表を参照)。その中から、本誌編集部が厳選した、トップ10を紹介する。

■青函トンネル記念館で特別ツアー

 まず、第10位にランクインしたのが、『青函トンネル記念館』(青森県/入館料400円)。『世にも奇妙な博物館』(みらいパブリッシング)の著者で、博物マニアの丹治俊樹氏は、魅力を次のように語る。

「津軽半島の龍飛岬から、北海道の函館につながる青函トンネルが見学できる施設です。別売りの“体験坑道乗車券(1200円)”を購入すると、トンネル内の列車に乗って、海面下140メートルの地点まで到達できる特別ツアーが楽しめます」

 さらに、施設内にある日本料理店『紫陽花』では、希少なご当地グルメを提供しているという。

「寿司ネタの高級食材で、漁獲量の少なさから、幻の魚と称されるマツカワガレイの刺身とフライを盛り合わせた、“龍飛岬マツカワ定食”を食べることができます」(グルメライター)

■相撲ファンなら昭和の大横綱・双葉山を

 続く第9位は、『昭和の大横綱 双葉山資料館「双葉の里」』(大分県/入館料無料)。教えてくれたのは、多摩大学と宮城大学で名誉教授を務め、これまでに1000館以上の人物記念館を巡った、久恒啓一氏だ。

「史上最多69連勝を達成した大横綱・双葉山の貴重な資料、アイテムが展示されています。70連勝目をかけて負けてしまい、後に、“実は、双葉山が勝っていたのでは?”と物議を醸した、伝説の立ち合いの映像資料もあるので、相撲ファンは見逃せません」

■巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜

 大相撲の次は、プロ野球の記念館が選ばれた。第8位は、『松井秀喜ベースボールミュージアム』(石川県/入館料400円)だ。この博物館の運営に携わっているのが、巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏の兄の松井利喜氏。実際に、その見どころを聞いた。

「現役時代に獲得した数々の受賞品をはじめ、旧ヤンキースタジアムで実際に使用していたロッカールームなど、さまざまなアイテムがあります。少年時代の野球道具、絵画、作文、幼少期から巨人・メジャー・現役引退までの各時代のオリジナルムービーなど、当館でしか見られない貴重な品を多数、展示しております」

■『マツコの知らない世界』でも

 第7位は、『倉敷貯金箱博物館』(岡山県/入館料300円)。

 テレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、貯金箱収集家の安田富亘氏が運営している私設博物館で、全国から熱烈なマニアが訪れると評判の場所である。

「昭和のキャラクター貯金箱から、銀行の粗品で配られていた非売品まで、多種多様な貯金箱が展示されています。また、外観には、音響機器メーカー『ビクター』のマスコット、ビクター犬の置物がずらりと並んでいて、圧巻のひと言。一見の価値ありです」(前出の丹治氏)

■ワインの歴史と味わい

 第6位には、『神谷傳兵衛記念館』(茨城県/入館料無料)がランクイン。

「日本初の本格的ワイン醸造場『牛久シャトー』の中にあります。創業者の神谷傳兵衛は、日本人に合わせた甘いワイン“ハチブドー酒”を開発して大ヒットさせた人。彼のワイン造りに関する資料や、明治時代のワイン樽が並んだ貯蔵庫が見学できます」(前同)

 茨城県がワイン造りの聖地であることを知らなくても、『神谷バー』という名前を聞けば、ピンと来るのではないだろうか。

「実は、神谷傳兵衛が開いた日本初のバーが、東京・浅草の老舗『神谷バー』なんです。現在も、ハチブドー酒を提供しているので、記念館で歴史を学んだ後に、その味を確かめてみては」(同)

■昭和の街並みを完全再現

 第5位は、『氷見昭和館』(富山県/入館料600円)。昭和の街並みを完全再現したジオラマが評判の私設博物館である。館長の蔵田幹善氏に話を聞いた。

「ブリキのおもちゃ、ジュークボックスなど、私が長年、集めてきた昭和の懐かしいアイテムを多数、展示しています。一番の注目は、プラモデルコーナーです。国内屈指の展示数で、その中には、材料から模型を自作する“フルスクラッチ”の名車シリーズのプラモデルもあり、マニアの人に大変喜ばれています」

 そして、第4位は、『大河内山荘庭園』(京都府/拝観料1000円)。百人一首でも有名な、小倉山の斜面2万キロに広がる日本庭園で、注目すべきは、その成り立ちだ。

「『新版大岡政談』の丹下左膳役で有名な昭和の大スター・大河内傳次郎が、私財を投じて30年間の歳月をかけて完成させた庭園です。いわば、一人の男の道楽ですが、そのこだわりようはすさまじく、庭園内には、登録有形文化財に指定された茶室などが点在しています」(前出の久恒氏)

 併設された資料館も見どころ満載だという。

「愛用のカバンを展示したコーナーがあり、当時の名刺や、直筆メモがびっしりと書き込まれた手帳などが見られます。俳優時代の、大河内傳次郎の素顔がうかがえます」(前同)

■ザ・ビートルズを主題に

 さて、いよいよトップ3の発表といこう。第3位は、『ビートルズ文化博物館』(兵庫県/入館料300円)に決定。世界的音楽グループ『ザ・ビートルズ』を主題にした、国内唯一の博物館だ。創設者の岡本備氏は、こう語る。

「ビートルズの偉業と、彼らが生んだ新たな文化を後世に伝えたいという思いで、この博物館を設立しました。1966年の武道館公演のチケットや、直筆のサインレコードなど、私がこれまで集めてきたアイテムを中心に展示していて、今では、全国のビートルズファンが訪れてくれています」

 また、岡本氏は「夢は、ポール・マッカートニーを招待すること」と語り、そのための活動も行っているとのこと。ポールがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!?

■マニアックなレコードコレクション

 第2位は、『音浴博物館』(長崎県/入館料750円)。

「約16万枚のレコードコレクションと、蓄音機、スピーカーといった音にまつわるアイテムを展示しています。非常にマニアックなうえに、西彼杵半島の山奥というへんぴな立地ですが、全国から熱烈なファンが訪れる博物館です」(丹治氏)

 その名の通り、音を浴びることができる体験コーナーもある。

「レコードとスピーカーを選んで、好きな音楽を聞くことができます。私は、荒井由実さんの『ひこうき雲』を試聴しましたが、音が立体的で、全身で音楽を感じるような、貴重な体験ができました」(前同)

 まさに、芸術の秋には、うってつけのスポットだ。

■カップヌードル、インスタントラーメンの歴史

 そして、堂々の第1位に輝いたのは、『カップヌードルミュージアム横浜 安藤百福発明記念館』(神奈川県/入館料500円)。久恒氏は、次のように語る。

「食品メーカー『日清』の創業者で、世界初のインスタントラーメンを発明した安藤百福の生涯が学べます。また、“マイカップヌードルファクトリー”という体験コーナーでは、1食500円で、自分だけのオリジナルカップ麺が作れるので、お子さんにも大人気です」

 好奇心と、おなかを同時に満たせる博物館なのだ。

 実際に、本誌記者が現地を訪れたところ、インスタントラーメンの歴史を身近に感じることができるとともに、特筆すべきはやはり、オリジナルカップ麺作り。好きなスープと具材を選べ、パッケージも自由にデザインすることができ、時間を忘れて夢中になれた。

 昔を懐かしみ、非日常を体験し、おなかを満たす。この秋は、そんな面白スポット巡りで決まり!

【画像】日本全国「ミュージアム」リスト

※○入は入館料。料金は変更になることもあります。営業時間など詳細は、各施設にご確認ください。

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