気候変動で雪が足りない。フランスのスキー場が永久閉鎖

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気候変動はいたるところに影響を及ぼしているようだ。ヨーロッパのアルプスに位置するスキー場「ラ・サンビュイ・スキーリゾート」は、雪不足を理由に永久閉鎖を決定した。
スキーシーズンが短縮されたことで、リフト営業の採算が取れなくなったという。
かつては12月初めから3月末まで雪が降っていたが、昨冬はわずか4週間しか雪が降らず、その雪の量も少なかったという。
このニュースは、世界各国のウィンタースポーツ愛好者に大きな衝撃を与えたようだ。
・雪不足で大きな赤字となったスキー場
アルプス山脈、モンブラン近くにあるセイテネでのスキー場を運営している、「ラ・サンビュイ・スキーリゾート(La Sambuy ski resort)」は、地球温暖化の影響で雪不足となっことで、永久閉鎖を余儀なくされた。
La Sambuy ではここ数年、毎年のように雪不足に悩まされ、経営困難となっていた。昨年はわずか4週間しか雪が降らず、それも十分ではなく、すぐにゲレンデに岩や石が現れ始めたという。
その結果、La Sambuy は年間約53万ドル(約7800万円)の損失を計上した。3基のスキーリフトの維持費だけで約85万ドル(約1億2500万円)もかかっていたという。
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・公式に永久閉鎖を発表
La Sambuyの公式サイトでも、この永久閉鎖が正式に発表された。
今年6月14日の町の評議会の決定に従い、9月10日にLa Sambuyは最後の営業日を迎えた。
La Sambuyは「2023年の最後の夏シーズン、あなたたちと過ごしたこれまでの素晴らしい日々に感謝します。近いうちにまたお会いしましょう」と感謝の言葉を伝えている。
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・スキー場としては終焉だが新たなスタートへ
La Sambuyはスキー場としての営業は終了するが、引き続きアウトドア・アクティビティを行える場所として新たなるスタートを切った。
特に夏の人気アクティビティとして、ロッククライミング、ケイブダイビング、ハイキング、パラグライディング、バイクトレイルなど、多種多様な選択肢が提供される。
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気候変動による雪不足の問題はLa Sambuyに限ったことではない。ヨーロッパ各地のスキー場も同様の悩みを抱えており、標高の低いところから閉鎖を余儀なくされている。
ヘリコプターで雪を運ぶなどの対策も行われていたが、一時しのぎにしかならなかったようで、このまま気温が上昇していけば、さらに多くのスキー場がピンチを迎えると予測されている。
References:Ski resort in French Alps closes permanently: ‘not much snow’ - UPI.com / Station Sambuy familliale / written by parumo
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