「おぐらが斬る!」中立国インドのロシア離れがはじまっている (2/2ページ)
さて、いまや米中に次ぐインドは日本をどう見ているのだろう? 現役のインド外務大臣で、駐日大使館次席公使、駐中国大使、駐米大使などの経験もあるジャイシャンカル氏が書いた『インド外交の流儀』(笠井亮平訳:白水社刊)によると
「日本との協力が経済面、安全保障面においても絶大なポテンシャルを持っていることは、インド政府では広く認識されている」
「インドの政治の中で印日関係は超党派的な支持を得てきたという点で、日本はユニークな存在」
【印日関係は超党派的な支持を得てきた】ということは、与党も野党も関係なく日本に好意的ということだ。
インド人が日本に好意的なのは歴史的背景がある。まず日露戦争でアジア人として初めて白人国家に勝利したのを、インドの人々は「アジア国家の幕開け」と感じ、太平洋戦争中では、インドの独立に間接的に手を貸したため、今でも好意的なのだ。
英国の首相はいまインド系のスナク氏であり、アメリカの副大統領のカマラ・ハリス氏もインド系だ。
GDPでは、2030年に日本を抜いて世界3位になると予想されているインドから、我々は目が離せない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。