神々の戦車、空飛ぶ船。UFOが古代文化に残した痕跡
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何千年もの間、世界中の人々は空に輝く説明のつかない物体を描いてきた。いわゆるUFO(今風にいうところのUAP:未確認航空現象)と呼ばれるもので、日本だと江戸時代に描かれた「虚舟(うつろぶね)」があげられる。
彗星、流星群、火球、オーロラ、地震発光など、現在では簡単に説明がつく空に現れる航空現象は、古代でも広く伝えられていた。
古代の作家たちは、こうした航空現象は社会不安や差し迫った災害の兆候とみなした。
UFO(UAP)に対する反応は、現代も過去も変わらない。政治的、軍事的危機と関連した、空に現れる不可解な物体の歴史は長いのだ。
・聖書で言及された神の戦車と不思議な4つの生き物
聖書の中で、予言者 エゼキエルは神の戦車について言及している。
それは、炎の中で熱く熱せられた金属のように光り輝いていて、エゼキエルはその中に4つの生き物を見たという。
それらは人間のように見えるが、4つの顔と4つの翼をもっていたそうだ。
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エゼキエルの幻視、ジョバンニ・バッティスタ・フォンタナ、1579年 / image credit:The National Gallery of Art・インドの叙事詩に登場する神々の空飛ぶ戦車、ヴィマーナ
神々の空飛ぶ戦車、ヴィマーナもまた、『マハバーラタ』や『ラーマヤナ』などの古代インドの叙事詩に登場する。
ヒンドゥー教の神話では、神々がこうした戦車に乗って、宇宙の隅々までかけめぐる様子が描かれている。
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ガネーシャが操縦する天空の戦車に乗る新郎と新婦としてのクリシュナとルクミニ、インド、ラージャスタン州ブンディ、1675~1700年 / image credit:Los Angeles County Museum of Art・ハンニバルの活躍時に現れていた光り輝く空の船
ローマの歴史家リウィウスは、紀元前218年の冬の前触れについて「空に光り輝く船の光景」と述べている。このとき、第二次ポエニ戦争が始まり、敵将ハンニバルは連勝を目前にしていた。
おそらく、この空の"船"は、奇妙な雲の形態だったのかもしれないが、リウィウスが選んだ言葉は、"光り輝き"、"きらめく"なにか、つまり、今日でもUFOと関連のあるものを意味していた。
リウィウスは、紀元前173年に空にまた船が現れたと報告していて、今度は大艦隊だったと言っている。
紀元前217年の春、ハンニバルはまだローマを脅かしていた。リウィウスは、イタリア中央部上空に「丸い盾が見えた」と述べている。
リウィウスは、これが前年に見た"船"のように光り輝いていたかどうかについては、ふれていないが、"盾"は、冷戦の最盛期に注目されるようになった、UFOタイプの空飛ぶ円盤の姿を思わせる。・ルクルスとミトリダテス6世の戦いに現れた銀色の物体
もうひとつの興味深い古典的なUFOは、ギリシャの作家プルタルコスが書いた、ローマ将軍ルクルスの生涯の中に記録されている。
ルクルス軍がポントス王ミトリダテス6世と戦おうとしていたとき、両軍の間の空に奇妙な物体が現れたという。
突然、空が裂け、巨大な炎のような物体が両軍の間に落ちてくるのが見えた。その形は、ワインの大甕(ピトス)に似ていて、色は溶けた銀のよう。両軍とも、その光景に驚き、離散したこの物体が、ピトスという特定の形をした容器として記述されていることは、輝く光以上のなにかを示唆している。
これを流星だと解釈する者もいるが、プルタルコスが光る金属のような性質に焦点を当てているので、その可能性とは一致しない。
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キリストの洗礼、アレント・デ・ゲルダー(1645~1727年) / image credit:The Fitzwilliam Museum , CC BY-NC-ND
いずれにせよ、両軍はこれを悪い予兆だと考えて撤退した。
ローマ軍とユダヤ軍の戦争について書いている、ローマ系ユダヤ人歴史家ヨセフスは、紀元65年、UFO間の空中戦を記録している。
日没前、空に戦車が見え、それに伴って、武装した部隊が雲の間を疾走したという。
ヨセフスは、大勢がこれを目撃し、これはその後のローマの勝利を予告しているのだと信じたという。・古代から現代の終末
聖パウロは、「エフェソ信徒への手紙」の中で、神の「信仰の盾」にふれているが、"空を航行する船"は、中世アイルランドでは共通のテーマで、教会の"船"が信者に与えた安全を象徴している。
異常現象の報告は、キリスト教徒が聖書にある「ヨハネの黙示録」で予言された審判の日を恐れたり、期待したりする千年紀の変わり目ごとに増加している。
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天空の戦いで貴婦人たちと対決する王とその従者たち、1600年ごろ / image credit:The National Gallery of Art
千年紀のUFO学は、最近のキリスト教による世界の終わりの予言を、興味深く発展させたもので、ここでは、救世主メシアが、悪魔のような異星人から私たちを救うために戻ってくる宇宙旅行者だとされている。
毎年、たくさんの成人がUFOを目撃したと報告をしている。自分たちの体験談を訊かれると、宗教的なものだと答える者もいるし、そうではないと言う者もいる。
重要なのは、UFO学が宗教と科学を調和させる方法のひとつとなる可能性があり、多くがこのやり方に魅力を感じているということだ。
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CIAが提出した分類不可能なUAPのスケッチ / image credit:National Archives/Wikimedia Commons
古代の文献に描かれた物体や光はいったいなんだったのか、現実のことだったのか、それとも心理的ストレスの結果だったのか、私たちがそれを知ることは決してできないだろう。
しかし少なくとも、古代のUFOの重要な目撃例は、常に不安と大きな変化が差し迫っている状況を物語っているといえる。
古代でも現代でも、UFOは、私たちの危機感を空に現れる物体に投映する必要があったことを裏づけている。
古代の人々は、世界の終わりがどれくらい差し迫っているのかを警告する終末時計なるものは持っていなかったが、自分たちの目で空を注意深く観察して、そこにたくさんの警告を見い出したのかもしれない。
References:Chariots of the gods, ships in the sky: how unidentified aerial phenomena left their mark in ancient cultures / written by konohazuku / edited by / parumo
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