アメリカ社会の良い所と悪い所。ストリートミュージシャンを妨害する人、助ける人

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アメリカ社会の良い所と悪い所。ストリートミュージシャンを妨害する人、助ける人
アメリカ社会の良い所と悪い所。ストリートミュージシャンを妨害する人、助ける人

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 アメリカ・ジョージア州で、ストリートミュージシャンがピアノを演奏中、通行人女性に突然ピアノの鍵盤を押さえつけられた。その後女性はまたやってきて、今度はピアノを叩き落とし、チップを奪い取っていった。

 見知らぬ女性から嫌がらせを受けた男性はショックを受けるが、別の通行人が彼を励まし、チップを渡し、ピアノを元に戻すのを手伝ってくれた。

 この動画がSNSに投稿されるとすぐに身元が判明し、後日女性から謝罪の連絡があり、男性はそれを受け入れたという。

 動画を見た人たちからは、「アメリカ社会の良い所と悪い所がまさに映し出されている」との声が寄せられた。

・見知らぬ通行人女性に嫌がらせをされたストリートミュージシャン
 9月25日、ジョージア州アセンズの路上で、アンドリュー・フースさんはビリー・ジョエルのヒット曲「ピアノ・マン」をピアノ演奏していた。

 すると、通りがかりの女性が近付いて来て、ピアノの鍵盤を無作法に押して演奏の妨害行為をした。女性は酒に酔っていたという。

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 無礼な女性の行為に対し、フースさんの演奏を聴いていた人々は「やめなさいよ!」と注意したが、女性は謝罪することなくその場を立ち去った。

 フースさんは、気にしないようにして演奏を続けていたが、しばらく経つとその女性が再び友人と現れた。

 フースさんは、さきほどの女性が近付いてきたことに気付いたが、無視しようとした。

 ところが、女性はフースさんの前に来ると、1回目よりも強く鍵盤を叩きつけ、ピアノを地面にたたき落とした。

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 そして皮肉っぽく「ごめんなさい」と言うと、後ろで友人たちが笑い声をあげた。

 その時の様子が、フースさんの背後に設置されたカメラに捉えられているが、周囲から非難を浴びた女性たちが「なによ殴りたいっての?」と喧嘩を吹っかける声が聞こえている。  その後、女性はチップを寄付するフリをして、フースさんのチップバケツに手を伸ばすと、入っていたチップを盗んでいったようだ。

 その行為に気付いたフースさんは、その場から立ち去った女性に向かって「ちょっと、ちょっと!」と声をあげた。

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 目撃していた周りからも、ブーイングの声があがった。

 楽しく演奏していたところで、いきなりの嫌がらせと妨害行為、おまけにチップまで盗み去られた。

 無力感に襲われたのだろうフースさんは女性を追いかけようとはせず、その場で立ちつくしていた。

 すると、その様子を見ていた何人かの人たちが、ピアノを拾い上げてフースさんに大丈夫かと尋ね、励ましの声をかけた。

 ある人は、奪われたチップを補うために、財布の中の現金を全額渡してくれた。

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 何人かの女性はピアノを元に戻すのを手伝ってくれた。

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・アメリカ社会の良い所と悪い所が映し出されているとの声
 フースさんが、映像をTikTokに投稿すると、嫌がらせをした女性に非難の声が殺到し、多くの人がフースさんを励ました。
これは悲しすぎる。そんなことになって、とても残念だったね。でも、これからも路上で演奏して人々を幸せにしてください。
なんて奴なんだ。あなたはとても才能のある人だから、これからも輝き続けてほしいよ。
あなたはただ音楽を演奏して、みんなに楽しい時間を与えようとしただけなんだ。それなのに、女性はあなたに敬意を表しようとはしなかった。全く容認できない行為だよ。
チップを盗んだ女は、早急に起訴されなくちゃ。君が苦労して稼いだお金が、戻ってくることを願っているよ。
 SNSを通して寄せられた多くの声は、彼の心の大きな慰めになったようだ。
この動画は、アメリカ社会の良いところも悪いところも1つにまとめられているね。
最初に女性が鍵盤を叩いたときも、リスナーの女性たちは止めようとしてくれているよね。
他の人が自分をどのように扱ってくれているか、どれほど周りが親切であるかを見ることができるというのは、良いことだよ。
 フースさんは、このように語っている。
これはパフォーマンス中に私が受けた最悪の出来事の一つです。でも、救いの手を差し伸べてくれた周りの人に感謝しました。

世の中には、悪い人も存在しますが、このビデオは実際には良い人が上回ることを示しています。人々はただ傍観しているだけでなく、助けようと飛び込んでくれたのです。

それは、本当に人間性への信頼を回復させてくれるものです。


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pixabay

・身元判明した女性がフースさんに謝罪
 その後、SNSユーザーの大捜査網により、妨害行為をした女性は、ショーンテ・ハードさんという人物であることが判明した。当然のごとく炎上案件となった。

 ハードさんは、自分のフースさんへの行為について謝罪した。
映像を見たすべての人に対して、申し訳ないという気持ちです。私は自分の行動が間違っていたこと、無知だったことに対して多くの非難を受けました。

私の行為が正しくないのはわかっています。でも、問題を起こしたのは私であって、私の家族は関係ありません。だから、この件で家族には近づかないでください。

今後、家族や私にテキストメッセージを送ったり、私の偽SNSアカウントを作ったりするのは止めてください。私自身はすでにフースさんに謝罪しています。
・お金は盗んでいないと主張する女性
 さらにハードさんはこのように話している。
私は、お金も盗んでませんし、ピアノも壊しませんでした。

私も皆さんと同じ人間です。誰もが間違いを犯しますし、完璧な人などいません。

ダウンタウンで私が見てきたひどいことに比べれば、私のしたことなんてたいしたことないのです。でもそれが正しくないことはわかっています。

フースさんは私の謝罪を受け入れてくれたし、電話ではとても楽しい会話ができた、それがすべてです。
 ハードさんが言うように、フースさんは実際にハードさんから電話をもらい、謝罪してもらったそうだ。

 チップを盗んでいないと主張するハードさんとの間で、どのような話が繰り広げられたかは不明だが、フースさんはハードさんの謝罪を受け入れたという。

References: US Woman Smashes Street Performer's Piano And Steals His Tips, Internet Outraged / written by Scarlet / edited by parumo



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