うまいものを腹いっぱいになるまで楽しめる至福のサービス。全国各地の食いしん坊バンザイ店を大調査！おいしい旬のものがテーブルを彩る、食欲の秋。そんな季節に訪れたいのが、全国の“食べ放題”だ。

「石川県で誕生したチェーン店『焼肉きんぐ』を皮切りに、全国で食べ放題ブームが起きた結果、各店の味やサービスが格段に向上。ご当地グルメを取り入れた個性的な店が次々と登場して、とても充実しています」（グルメ雑誌記者）

　そこで今回は、有識者協力のもと、北は北海道、南は九州・沖縄までの食べ放題を徹底調査（最終ページからの表を参照）。その中から、本誌編集部が厳選した、注目の店を紹介したい。

■食の王国・北海道“焼肉の町”

　まずは、食の王国・北海道の『炭焼味覚園』から。教えてくれたのは、女性アイドルグループ『エラバレシ』のメンバーで、大食いタレントとして活躍中の、もえのあずき氏だ。

「“焼肉の町”と称される北見市にある店で、道産の牛肉が食べ放題です。特に、名物のサガリ（横隔膜）は、柔らかい肉質と、濃厚な赤身が味わえる逸品でした。ちなみに、北見市はタマネギの名産地としても有名で、こちらの店の野菜も、非常においしいですよ！」

■ラーメン好きには天国のような店

　東北地方は、福島県の『河京ラーメン館　猪苗代店』を紹介。全国でも珍しいラーメンの食べ放題だ。

「喜多方や白河など、福島のご当地ラーメンの特徴である、茹で立てモチモチ麺に、スープとトッピングをカスタマイズ。ラーメン好きには、天国のような店です」（ラーメン評論家）

■大迫力！看板料理のシウマイを

　関東地方は、神奈川県の『崎陽軒レストラン　亜利巴“巴”』。駅弁のシウマイ弁当で有名な崎陽軒の本店ビル内の、ビュッフェレストランだ。

「中華街がある横浜には、おいしい中華の食べ放題がたくさんあります。崎陽軒は、多種多様な点心に加えて、ホテルビュッフェのような本格料理も楽しめるので、お得です」（前出のもえの氏）

　中でも、看板料理のシウマイの食べ放題は、味も格別だという。

「シウマイが数十個入った大迫力のせいろ蒸しがあって、出来たてなので、豚肉とホタテ貝柱のあんのうま味が際立っているんです。おいしくて、大食い友達と一緒に行ったときは、せいろ丸ごとペロッと食べちゃいました（笑）」（前同）

■YouTuberオススメの海鮮

　また、海鮮好きなら、東京都の『おさかな本舗　たいこ茶屋』が見逃せない。ユーチューブ『わっきーＴＶ　全国グルメ動画チャンネル』を運営する、グルメコメンテーターの石脇誠氏は次のように言う。

「約２０００円の、お刺身食べ放題ランチで有名な店です。まるで焼肉バイキングのように、大皿に、新鮮なマグロやサーモンが並んでいて、明太イカなど、こだわりのネタもたくさんあるので、自分好みの豪華な海鮮丼が作り放題です」

■クオリティの高い寿司と焼肉

　続いて、中部地方。静岡県の『カルビッシュ』は、カルビとフィッシュをかけた店名の通り、焼肉と寿司の両方が楽しめるという。

「全国各地に焼肉と寿司の食べ放題はありますが、中でも、カルビッシュのコスパの良さはトップクラス。味も量も抜群で、今後さらに人気になること間違いなしの、名店です」（前同）

　そんな石脇氏が最も感動したのは、寿司のクオリティの高さだという。

「握り立てが売りで、さらに、コースによっては、目の前で炙ってくれる“炙り寿司”も食べられます。特に、ウナギの炙り寿司は、とろけるような身と、濃厚なうま味が口いっぱいに広がるので、ぜひ」（同）

■高級食材の牛タンが！

　さて、王道の焼肉食べ放題に、アレンジを加えた名店は他にもある。東海地方、愛知県の『和牛タン次郎』は、高級食材の牛タンの食べ放題が名物だ。

「赤ワインを使った秘伝ダレに漬けた“仙台牛タン”や、青ネギで巻いた“縛り牛タン”など、こだわりの品々が注文し放題。焼肉好きで、肉の質を求める人も満足するはずです」（同）

■特選近江牛すき焼きと松茸ごはん

　そして、近畿地方では、滋賀県の『松茸屋　魚松』がオススメ。秋の味覚の松茸が食べ放題という、驚きのコースがあるのだ。

「特選近江牛のすき焼きと松茸ごはんが食べ放題で、松茸の土瓶蒸し１人前とお土産用の松茸昆布などがついて、１人前８８００円！　松茸専門店の直営なので、味も一級品でした」（前出のグルメ雑誌記者）

■紅ズワイガニや牡蠣を

　中国地方は、鳥取県の『お食事処　海心』を紹介。場所は、カニの水揚げ日本一の境港のすぐそばに、濃厚な甘みと、ジューシーな身で知られる“紅ズワイガニ”の食べ放題がある。

「紅ズワイガニは足が早いので、おいしいものを求めるなら地元が一番。その点、海心は、港直送の新鮮なカニを使っているので、味も格別でした」（前同）

　また、広島県の『草津かき小屋』は、広島名物の牡蠣の食べ放題が楽しめる。

「好漁場で育った“草津牡蠣”は、磯の香りと甘みが凝縮した、プリプリの身が特徴。かき小屋では、その身を生かした、焼き牡蠣が提供されます。牡蠣のみそ汁など、一品料理も豊富で、寒くなるこれからの季節にピッタリです」（同）

■福岡ソフトバンクホークスのファンが集う居酒屋

　そして今、最もアツイのが、九州地方の福岡県。複数の識者がオススメとして挙げた、食べ放題の激戦区でもある。まず、もえの氏が薦めるのが、『海鮮居酒屋　花ざかり』だ。

「明太子、モツ鍋といった博多名物や、地元の海鮮を使った刺身などを、お店の人が次々に持ってきてくれます。飲み放題もつくので、お酒好きにはもってこいです」

　この店には、食べ放題以外にも魅力がある。

「プロ野球の福岡ソフトバンクホークスのファンが集う居酒屋としても有名です。私は阪神タイガースのファンなので、周りのお客さんと、プロ野球談議に花が咲きました。旅の良い思い出にもなる、おなかと心が満たされる店です」（前同）

■ローストビーフやスパーリングワインも飲み放題

　また、前出の石脇氏は、『ザ・ブレックファースト・ホテル』の朝食ビュッフェを教えてくれた。

「切り落としのローストビーフや、焼き立てピザなど、朝食とは思えない豪華なラインナップが売り。加えて、スパーリングワインも飲み放題なので、朝から酔いたい人にもうってつけです」

■ランチ限定“無限ハンバーグ定食”

　一方で、がっつり食べたい人には、『鉄板本舗』で、ランチ限定で提供されている、“無限ハンバーグ定食”がイチ押しだという。

「熱々の鉄板に並んだハンバーグが食べ放題という、見た目も楽しいサービス定食です。ジューシーなあらびき肉のハンバーグは、ごはんとの相性が抜群。卵かけごはんや、みそ汁もおかわり自由なので、気がすむまで食べられます。こちらの店は、帳簿に名前を書いて待つシステム。連日、大盛況なので、開店時を見計らって行くのがポイントですよ」

■『ＴＶチャンピオン』優勝者の「楽しむコツ」

　どれも、おいしそうな店ばかりだ。最後に、『ＴＶチャンピオン』（テレビ東京系）の「食べ放題通選手権」の優勝者で日本ブッフェ協会代表の、グルメジャーナリスト・東龍氏に、食べ放題を最大限、楽しむコツを伝授してもらった。

「たくさん食べたいからと、事前に食事を抜くのは厳禁です。空腹時間が長いと、胃の働きが鈍り、ふだんより食べられなくなります。食べ放題では、満腹を促す、甘い飲み物やデザートは控えましょう。舌を休めたいときは、食欲増進作用がある、ブラックコーヒーを飲むのがオススメです」

　大切なのは、食べ放題を楽しむ気持ちだという。

「その場で調理をする実演系の料理は、その店が力を入れている商品なので、ぜひ味わっておきたいです。また、焦らずに、店内の料理をじっくり見て回るのもポイント。未知の食材や味にワクワクしながら、自分流の食べ放題の楽しみ方を見つけてください」（前同）

　本誌を参考に、全国の食べ放題を巡ってほしい！

【画像】日本全国「食べ放題グルメ」リスト

※識者への取材などを基に、本誌が作成。料金やサービスは変更になる可能性があります。詳しくは各店舗にご確認ください。