「循環型社会“見える化”の最前線」と題して、NTTコミュニケーションズ株式会社 境野哲氏がウェビナーに登壇 (2/7ページ)
それに対してスコープ3は、自社サプライチェーンの上流と下流での事業活動で生じた温室効果ガス排出が対象となり、原材料の調達や加工、輸送、また廃棄プロセスにおいて使用した燃料・エネルギー量を集計する必要があります。その算出を行うためには関係各社との人的な連携が不可欠であることに加え、算出範囲・算出基準の明確化やデータ共有・連携におけるプラットフォーム(共通の土台・仕組み)作りも課題です。
国内ではこうしたプラットフォーム作りに向け、21年に電子情報技術産業協会(JEITA)が「Green x Digitalコンソーシアム」を設立し、その活動の一つとして「見える化WG」を立ち上げています(※1)。これはサプライチェーン全体のCO2データを共有するプラットフォーム構築を目指し、データ共有のルールや運用ガイドライン等を検討しようというもので、23年1月時点で上場企業を含む117社がメンバーとなり、経済産業省がオブザーバーとして参加しています。
このような動きにより、多くの企業がスコープ3に取り組みやすくなることが期待される一方、国外ではより大規模な事例も見られます。その一例の「Gaia-X」は、異なる企業が業界を超えてデータを交換・共有するための分散型基盤を構築するための計画です。Gaia-Xは2019年、ドイツとフランスの両政府を中心に設立され、現在では欧州を中心とした300以上の企業、世界25か国へと広がっています。当イベントに登壇する境野氏は、そのGaia-Xの自動車業界における活用と言える「Catena-X」プロジェクトの開発に携わった経験を持ちます。
EUの先進事例「Gaia-X」、「Catena-X」を題材に
境野哲氏は、NTTコミュニケーションズ株式会社イノベーションセンター担当部長であると同時に、同社エバンジェリスト(先端的な知見を紹介、啓発する業務)を担います。境野氏は、上述のドイツ「Catena-X」をはじめとした、欧州の企業間データ連携基盤と日本企業をつなぐプラットフォームの開発・展開に携わってきました。
「Catena-X」は、自動車のサプライチェーン全体でデータを共有するためにドイツで設立された企業間連携です。