森永卓郎が警鐘!年金、たばこ税…花粉税って?岸田文雄総理「増税カレンダー」
政権発足以来、支持率の低迷にあえぐ岸田文雄首相が、“奇策”に出た。
「10月26日に行われた政府・与党の懇談会で、所得税などの減税策を表明しました。表向きは、税収の大幅な増加分を、物価の高騰に苦しむ国民に還元するとしています。だが、実際は、近い将来の衆院選を意識したバラマキ策=選挙対策の色合いが濃い。“増税メガネ”というイメージの払拭に躍起なんです」(全国紙政治部記者)
では、肝心な減税策は、どのようなものになるのか。
「来年6月から、子どもなどの扶養家族を含めて、1人あたり年間で合計4万円の所得税と住民税を減税。また、それらが課税されない低所得者世帯には、1世帯あたり7万円を給付します」(前同)
■総額5兆円のバラマキ策だが
だが、経済アナリストの森永卓郎氏は、その効果について疑問を投げかける。
「総額で5兆円くらいのバラマキ策でしょうが、国民はそのまま貯蓄に回すだけで、日本経済へのプラス効果は、ほとんどありません」
さらにこの減税策の裏で、岸田政権は今後、数多くの増税を目論んでいるという。
■所得税は…
まずは唐突に延期が発表された、所得税などの増税。
「防衛費増額の財源として、法人税、所得税、たばこ税を増税することが6月に決まっていました。当初は来年度から実施する予定でしたが、減税策との整合性が取れないとの批判が巻き起こり、慌てて延期を発表。ただ、防衛費の財源不足は深刻なため、近い将来、必ず実施される見通しです」(前出の政治部記者)
また、“花粉税”なる珍妙な増税案も。来年度から、1人あたり1000円が住民税に上乗せされる『森林環境税』が、それだ。
「10月7日、岸田首相は、花粉症の主要アレルゲンであるスギ人工林を伐採し、広葉樹に変更するなどの『初期集中対応パッケージ』をまとめると表明しました。国民病の花粉症と地球温暖化の対策を謳っていますが、実際は23年に終了する、住民税に上乗せされている『復興特別税』に変わる税源の確保です」(前同)
■社会保険料も
さらに、国民の負担増という意味では増税と変わりがない、社会保険料の増額も検討が進んでいる。
「国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を、現在の20歳以上60歳未満の40年間から、65歳になるまでの45年間に延長する方向で検討しています。自営業者などに大きく影響しそうです」(社会保険労務士)
前出の森永氏はこう嘆く。
■財務省は…
「財務省の子飼いである岸田政権ですから、増税することが目的になっていて、本来やるべき政策が、分かっていないんでしょう。
財務省は、土地持ちから預貯金、タンス預金にいたるまで、すべて納税させようという、悪名高いカルト教団みたいなことを考えていますからね」
国ばかりが肥え太って、国民がやせ細るようでは、日本に救いはない。
■岸田政権がもくろむ増税カレンダー
●2024年4月から
森林環境税として年1000円を住民税に上乗せして徴収
一定の年収を超える後期高齢者は、健康保険の年間保険料の上限を、66万円から80万円に、2年間かけて引き上げ
国民健康保険の年間保険料の上限を、104万円から106万円に引き上げ
●2025年4月以降
防衛費増額のための財源として法人税、所得税、たばこ税を引き上げ
●検討中
国民年金(基礎部分)の保険料納付期間を、60歳までから65歳までに延長
介護保険で介護サービスを受けた場合の自己負担額を、原則1割から2~3割に引き上げ