シラスとシラスウナギの違い?青海苔とアオサの違い? 知ってるようで知らない和の食材【その1】
ユネスコ登録から10年経った和食。国立科学博物館で「和食 日本の自然、人々の知恵」という展覧会が行われるなど、再び脚光を浴びそうな予感がします。筆者も「和食」展にいってみました。そこでは知ってるようで知らない食材のあれこれに目から鱗。
そもそも、野菜と山菜の定義は何かご存じですか?
野菜は人間が栽培している植物のことを指し、山菜は自然に生えている植物のこと。そう考えると筍は曖昧な存在かもしれません。裏庭や里山に植えることはあっても、筍畑ってありませんものね。
日本で一番多い種が作られてきた野菜は何か知ってますか?それは大根。
なんとその数800種類!
現在は青首大根が市場を占めていますが、江戸時代まではたくさんのご当地大根が作られていました。
そんな日本人大好きな大根も、日本発祥ではないんですね。原産地は地中海沿岸から中央アジアで、 なんと4000年以上前の古代エジプトでも栽培されていたそうです! 日本には8世紀ごろ中国から渡来しました。ピラミッドの工夫も食べていたそうです。大根とピラミッドがなんともミスマッチです。
シラスウナギとシラスの違い知ってる?最近、シラスウナギの完全養殖に成功というニュースがありましたが、シラスウナギって、よくスーパーで購入できるシラスとは違うの?と思った方もいたでしょう。
ずばりシラスウナギとは、「うなぎの稚魚」の事を指します。
成魚は黒っぽいですが、シラスウナギは透明色で全長5〜6センチほど。
ではよく丼物として提供されるシラスは?
こちらは「カタクチイワシ」の稚魚です。
マイワイワシやウルメイワシなどの稚魚のこともありますが、ほぼシラスといえば、カタクチイワシのことです。ちりめんじゃこに使われるシラスもカタクチイワシです。紛らわしいですね。
よく勘違いされているのは、浅草海苔とスサビノリ、青海苔とアオサ。二つとも前者の品種が採れなくなってきて、代用品が浅草海苔とか青海苔という「商品名」で売られてしまっていることがあります。※原材料名にはきちんとかかれています。
青海苔を買い求めてみましたが香が高く、アオサはほぼ香りがありいません。
また、浅草海苔はやや紫がかっています。「江戸紫」という名前の佃煮もありますね。
浅草海苔は赤紫がかっています。撮影が下手くそですみません(筆者撮影)
そういえば、はじかみってなんだ?「はじかみ」とは漢字で「矢生姜」と書き、葉生姜の一つです。
焼き魚や卵焼きについていることが多いですね。
「矢生姜」と書くのは、矢のような形をしているから。
「はじかみ」と言う音の由来は、古い時代の中国での呼び名にあるようです。
中国では生姜のことを「生薑」と書きましたが、日本に伝わったときに「薑(はじかみ)」という漢字の代わりに「姜」という漢字が使われるようになったとか。
生という表記は、漢方薬で使われていた乾燥生姜と区別するため。
ちなみに「はじかみ」は古事記の歌にも登場しているぐらい古い食べ物です。
中・歌謡「みつみつし 久米の子等が 垣下(かきもと)に 植ゑし波士加美(ハジカミ) 口ひひく われは忘れじ 撃ちてし止まむ」(古事記712)
このときは「波士加美」と表記していますね。
はじかみは薬味で添え物だと思っていましたが、天ぷらや醤油漬けにもできるそう。
はじっこを噛むから「端噛み」と思っていた筆者。いやー恥ずかしいですね。
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