猫のノミ取りついでに売春?少年との性愛「陰間茶屋」には女性客も!江戸時代の買春システム【後編】

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猫のノミ取りついでに売春?少年との性愛「陰間茶屋」には女性客も!江戸時代の買春システム【後編】

女性の心を奪い夢中にさせて多額のお金を遣わせる……今、国会でも取り上げられているホストクラブの売掛け金システム。

SNSが発達した現代ならではのような気がしますが、実は女性が見目麗しい男性に入れあげ大金を貢ぎ、その見返りとして性愛を求める「役者買い」などは、花柳界の芸妓、裕福な商家の後家、公家の姫様、大奥のお女中ほか、お金持ちの女性の間で流行っていました。

好きな男に大金を貢ぐ!江戸時代の買春システム「役者買い」に大奥の女中も病みつきに【前編】

【後編】では、歌舞伎役者以外にもあった「女性客に求められれば体も売る、裏の性愛家業」をご紹介します。

表向きは風変わりな稼業、裏では……

杣ヶ花渕右エ門(そまがはな ふちえもん)、大小の刀を佩刀し武士と同じ待遇であった力士

江戸時代、見目麗しい若い歌舞伎役者にいれあげてお金を貢ぐ「役者買い」、そして若くたくましい肉体を誇る相撲取りに入れあげる「相撲取り買い」などが、お金持ちの女性の間で流行っていました。

けれども、買春の対象になっていたのは歌舞伎役者や相撲取りだけではなかったようです。

「猫ののみ取り」浪人が部屋に上がり込み…

江戸時代、鼠取りの役目を果たすとして庶民の間で人気が広がった「猫」

たとえば、数年前に映画化されたことで話題になった「のみとり侍」。原作は作家・小松重男の「蚤とり侍」で、その表題の通り主君の不興を被ってしまい、越後長岡藩を追放された侍が浪人となり、表向きは街を流しながら「猫の蚤とり」という変わった商売を行いながらも、実は女性相手に体を売って性愛の相手をしている……というお話です。

実は、江戸時代も今と同じように猫ブームがありました。かつては貴族や高貴な人たちのペットだったものの、ネズミを退治する有益な動物として、徐々に庶民の間にも広まったそう。浮世絵の中にもさかんに描かれています。

「猫ののみとり」は、お湯に入れて温めた猫を軽く拭いて狼などの毛皮にくるむと猫のノミがそちらに移っていくという方法だったそうですが、「猫ののみとりをお願い」と声をかけられて女性の部屋に上がり込み、のみとりついでに「求められれば性愛のお相手」もする男性もいたそうです。

変わった性愛稼業ですが、江戸時代後期の読本作者「曲亭馬琴」もこの珍商売のことを記述しているそうです。

猫を抱く女性(歌川国貞)

少年が性愛を売る「陰間茶屋」は女性の利用客もいた

年上の馴染みの客の上に座る陰間(体を売る少年の役者)

江戸時代の中期ごろに流行ったという「陰間茶屋」。「陰間」と呼ばれる、修行中で舞台に立つことがない女形の少年が性愛を売るための茶屋です。働いていたのは主に10〜17歳くらいの少年だったため「子供茶屋」の別名でも呼ばれていたそう。

「陰間」は最初の頃は小姓のような装いでしたが、次第に島田髷の女性の着物を着た女性のようなスタイルや若衆の装いに変わっていきました。

江戸時代は「男色」が盛んに流行っていたので陰間茶屋での逢いびきというと男性客と少年のイメージが多いのですが、実は女性の客も少なくなかったとか。

男娼がいる江戸時代の「陰間茶屋」客は男性だけではなく女性にも人気だった?

武家の奥方と陰間が、金だけの性愛の付き合いから本気になって駆け落ちをするような事件もありました。

性愛を買ったり売ったり……の稼業は、SNSや動画配信など宣伝広告ツールがまったくない江戸時代でも、人から人へと話が口づてに伝わり、繁盛していたようです。

人間の欲望はいつの時代も変わらないということですね。

手に手をとって駆け落ちする見目麗しい若者と女性。(浮世絵)

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