メジャーリーグ初2度目の満票MVP!大谷翔平「怪物」の証明20【画像】今日から実践可!『大谷マンダラチャート』

日刊大衆

大谷翔平
大谷翔平

 圧倒的なパフォーマンスで大リーグの頂点に立った若き侍。大スターたちも舌を巻く規格外の野球力に肉薄した!

 大谷翔平(29)の“足跡”を追った伝記映画『SHOHEIOHTANI Beyond TheDream』(ディズニー+で配信)が早くも話題だ。

「故郷の岩手・水沢での少年時代から、花巻東、日本ハム入団を経て、大リーグで夢をかなえるまでを振り返る、充実の109分映画です」(スポーツライター)

 6時間に及んだというロングインタビューに加え、彼の恩師である日米3人の元監督も続々と“証言”。

「大谷が高校1年のときから“ドラ1”8球団競合を目標に掲げ、必要な要素をマンダラチャート式に書き出していたことに、球界レジェンドたちは皆、驚いていましたね」(前同)

 そこで今回は、関係者・レジェンドの証言を交えつつ、大谷のこれまでを再検証したい。

 その華々しい活躍を裏づける客観的なデータとともに、唯一無二の“怪物”ぶりを分析していこう。

■ホームラン王を獲得

 まずは今季、44発で日本人選手初となる本塁打王を獲得した打者・大谷から。

 作品中で本人も語っているが、2012年のドラフト時点での彼の評価は、「投手」としてだった。

 日本ハムから“二刀流”を提示されるまでは、かねて希望していた大リーグ挑戦ですら投手一本の腹づもりだったというから、ファンならずとも驚きだ。

「本編では、大谷本人からの“本当に二つできると思っていたか?”という問いに対して、“恩師”栗山監督、エンゼルスのジョー・マドン前監督が、ともに“信じていた”と即答していたのが印象的でした」(同)

 マドン氏も、栗山監督に負けず劣らず、当初から彼の才能にベタ惚れだった。

「DHがまだなかったナ・リーグのカブス監督時代から、“DH制の導入を説得した”とマドン氏は明かしています」(同)

 そんな大谷は、恩師2人の期待を遥かに超え、打者として年々、進化。渡米6年目にして、強打者ひしめく大リーグにおいても名実ともに“ナンバーワン”へと上りつめた。

 大リーグ評論家の福島良一氏は、今季の“打者・大谷”を振り返り、こう語る。

■長打率と出塁率の合算OPSトップ!

「長打率と出塁率の合算であるOPS1.066は、両リーグ通じて堂々のトップ。本塁打になりやすい角度、いわゆる“バレルゾーン”に飛んだ打球の割合を示すバレル率も19.6%と、規定打席到達者の中ではダントツです。それでいて打率3割4厘と、しっかり率も残せていることが、彼の“進化”を物語っています」

 実際、打率3割と本塁打40本以上の双方をクリアしたのは、他に、ナ・リーグで満票MVPのロナルド・アクーニャJr.(25)の一人だけだ。

■松井秀喜も「夢のかたまり」

 巨人時代に4年連続を含む5度のOPS1点台をマークした松井秀喜氏でさえ、こと大リーグでは渡米2年目、04年の31本塁打、OPS0.912が最高。

「“二刀流”に肯定的だった松井氏は、大谷の偉業を“夢のかたまり”と称賛。本編でも、“昔、自分が見ていた、すごい選手という感じで見ている”と胸中を明かしています」(前同)

 大谷はまさに、球界レジェンドが認める日本人史上最高のスラッガーなのだ。

■平均飛距離もシン・ゴジラ級

「現時点での大谷の大リーグ通算本塁打は、松井氏より1本だけ多い176本ですが、逆方向への打球は、松井氏の7本に対して、大谷は23本と大きく違う。

 数字の上では、もはや“ゴジラ以上”と言っても差し支えはなさそうです」(前出のライター)

 話題になる機会が多かった本塁打のシーズン平均飛距離422フィート(約128.5メートル)も、両リーグトップと“シン・ゴジラ”級。

 打球速度でも、今季開幕直後にはメジャー全体1位となる驚異の平均打球初速102・4マイル(約165キロ)を記録している。

「一塁到達タイムは、昨季の本塁打数で上位20人中1位の平均4.09。今年4月27日のアスレチックス戦では、チーム最速の4.02秒をマークしました。

 ホームランバッターながら、足を生かして内野安打&長打を稼ぐことができるのも、大谷の強みです。極端な守備シフトが禁止になったことも、追い風となりました」(福島氏)

■セイバーメイトリクスのデータでも一目瞭然

 こうした打者・大谷の貢献度は、セイバーメトリクスのデータでも一目瞭然だ。

 野球データの解析を専門に行う、ジャパンベースボールデータ社のアナリスト・大南淳氏が指摘する。

「近年、大リーグで重視されている“wRC+”。簡単に言うと、平均的な打者を100として、打席当たりの得点を生み出す多さを数値化した指標なんですが、今季の大谷は、これも180とダントツ。

 2位のアクーニャJr.で170ですから、客観的にも、その貢献度は突出していると言えそうです」

■大谷一人でチームに+10勝!

 他方、MVPの記者投票において最も重視されているのが、打撃・走塁・守備・投球などを総合的に評価して、選手の貢献度を示す指標である“WAR”だ。

 前出の大南氏が続ける。

「一般的には“8.0”を超えると超一流とされる指標で、大谷の場合はシーズン最少となる135試合で“10.0”を記録。これは大谷一人の力でエンゼルスに+10勝をもたらしたことを意味します。

 ちなみに、今季の彼は打者のみで“6.0”を稼いでいる。その意味では、投手のみで“6.2”をマークした昨季とは、対照的なシーズンとも言えますね」

 確かに、史上初の2年連続の2ケタ勝利&2ケタ本塁打を達成したとはいえ、15勝、防御率2.33だった昨季と比べれば、10勝止まりで同3.14の今季は、投手としては見劣りもする。

■とてつもない野球IQ

 それでも、前述の映画に登場するレジェンド右腕、ペドロ・マルティネスは、歴代4位の703本塁打を放った、強打者アルバート・プホルスを引き合いに出し、「私とアルバートを一緒にした選手なうえに、とてつもない野球IQを持っている」と評している。

 日本で言うところの“松坂世代”と同年代で通算251勝左腕のCC・サバシアも、同作内で「二刀流は今後、出てくるかもしれないが、オオタニのレベルでは誰も無理」と、敬意を払った。

 前出の福島氏は言う。

「昨季と比べれば、投手成績は確かに落ちていますが、仮に今季も規定投球回に達していれば、被打率の低さはリーグトップ。

 渡米後、初めて開幕から中5日のローテーションを守り、その中で結果も出したという点は十分、評価に値します。大谷自身も“投打のバランスは一番よかった”と語っていましたしね」

■魔球スイーパーが威力を発揮

 そんな今季の投手・大谷を象徴するのが、すっかり新たな代名詞ともなった“魔球”スイーパーだろう。

 大南氏が、データからも如実に分かる、その威力のほどを、こう指摘する。

「大前提として、リリースポイントを明らかに下げたことで、ストレートでの空振り率が昨季の20.3%に対して、今季は27.1%と格段に威力を増した、というのがあります」

 驚異のストレートあっての変化球。その威力についても、こう続ける。

「彼のスイーパーは、大きく曲がるうえ、下に落ちてこない。曲がり幅は、同じ球速の投手の平均より、およそボール1個分の2.3インチ(約6センチ)、落下幅は、2.2インチ小さいことが分かっています。イメージは打者の手元で真横に曲がる。それが彼のスイーパーが“魔球”たるゆえんです」

 ところで、スイーパー台頭以前の、大谷の“決め球”は、スプリットだった。

 大南氏も「昨季までと比べて、スプリットを制御しきれなかったことが数字にも表れている」と指摘するように、“宝刀”を脇に置いてまで“進化”を追い求めるところに、大谷の“凄味”がある。

■ダルビッシュ有も語る勇敢さ

「そのあたりは、現役選手で唯一、登場したダルビッシュ有(37)が映画で語っている、“自分より怖がらないで、いろんなことができる”、“それを感じていないように投げるのがうまい”という大谷評が、ズバリ当てはまりそうです。

 野球を極めるためなら、そこにリスクがあったとしても躊躇なく前へつき進める勇敢さ。それこそが大谷を怪物たらしめている原動力と言えそうです」(スポーツ紙記者)

 だとすれば、“進化”を止めない“二刀流”は、今後、どこに向かうのか。

■三冠王へ!

 手術明けで打者に専念する来季に関しては、やはり期待は三冠王だろう。

「今季も一時的に、3部門すべてでトップに立っていますし、彼なら不可能なことではありません。もしも獲得できれば、12年のミゲル・カブレラ以来、12年ぶりの快挙です」(福島氏)

 仮に、来季、ナ・リーグでプレーするなら、1937年のジョー・メドウィック以来、実に97年ぶりのナ・リーグ三冠王だという。

「肘の具合も心配されますが、大谷同様に昨季、トミー・ジョン手術を受けて今年5月に復帰したブライス・ハーパー選手(31)も、打率2割9分3厘で規定打席に乗せていますから、問題ないでしょう」(前同)

■ピッチャーとして超えるべきハードル

 他方、25年以降の復活を期す投手としては、映画本編にも登場し、当の大谷も「影響を受けた」と憧れを語るマルティネスが、超えるべき次のハードルだ。

 とりわけ、2年連続サイ・ヤング賞を獲得し、大リーグ史上でも“歴代投手最高のシーズン”と称えられる99年、00年の彼は、目指すに値する高みだ。

■ベーブ・ルースも射程圏内!

 大南氏は、こう言う。

「先にも挙げた指標“WAR”を、00年以降に限ってみると、打者では01年バリー・ボンズの“11.9”。投手では00年マルティネスの“11.7”が最高だから、大谷が超えるべき選手は、このあたりになるでしょう」

 はたして、伝説の選手を超えることは可能なのか。

「ちなみに、投手で昨季クラス、打者で今季並みの活躍が仮にできれば、単純計算でも“13.0”ぐらいは現実的に見えてくる。そうなれば、1923年ベーブ・ルースの“14.1”も射程圏になるはずです」(前同)

 偉大なる先人が、ちょうど100年前に打ち立てた途方もない数字さえもが、大谷の前では、単なる絵空事とは思えない。

 それもひとえに、未到の地を切り拓き、不可能を可能にしてきた彼だからこそだろう。

「栗山監督は、本編のラストで、大谷と出会った当時を“天井のない素材、きらめくような才能に胸が震えた”と表現。彼なら守備も含めた“三刀流もできるのでは”と、半ば本気で語っています。

 頂点に立ってもなお、無限の可能性を感じさせる。そんな選手は古今東西、彼以外にはいませんよね」(専門誌記者)

 想像を超えるその進化の行き着く先。“怪物”の最終形態が楽しみだ。

■球界レジェンドが語る「大谷翔平」という男

イチロー  2021年最終戦後のインタビューで、「大谷翔平は、これまで、ぼんやりとした表現をされることが多かった。比較対象がないこと自体が、誰も経験したことがない境地に挑んでいる凄味であり、物差しを作らなくてはいけない宿命である」とエールを送った。

故・野村克也 二刀流について、「プロ野球をなめるな」と否定していたが、彼が二刀流で活躍していく様子を見て、考えを改めたのか、出演したテレビ番組で、「自分の見る目を信用していたのに、自信なくした。大谷さん、すいませんでした」と発言を撤回している。

張本勲 たびたび厳しいコメントで話題になる張本だが、大谷の活躍に対し、「スーパーマンじゃないの」と大絶賛。続けて、「WBCで、あれだけ打って、投げてして、開幕戦で活躍する人は見たことないよ、疲れなきゃいいけど」と、球界の至宝を心配する様子も見せた。

清原和博 テレビ解説中に、「松井秀喜以上のバッターはいないと思っていたんですけど、それ以上ですね」と、驚きをあらわにし、続けて、「理解不能で、もはや漫画ですよね」と脱帽。実際に、漫画キャラになった清原ですら、大谷は現実味を感じられない様子。

デレク・ジーター ヤンキース一筋20年、“ニューヨークの貴公子”デレク・ジーターは、大谷に対し、「彼はユニコーンだ」と、大谷の代名詞である伝説の生物でたとえた。「投打での活躍は、僕の理解を、とっくに超えているよ」と、すでに、大谷がレジェンドであることを示した。

※敬称略

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