駐車場に止められる空飛ぶクルマがついにテスト飛行へ
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image credit:SWNS via Samson Flight
世界が注目する「空飛ぶクルマ」は、各国で開発が進んでいる真っ最中だ。車のように公道を走り、渋滞は空を飛んで回避できるという利便性から、従来の移動をより簡単にする次世代モビリティとして注目されている。
今年11月、アメリカの企業 Samson Sky(サムソン スカイ) が、これまで非公開だった試作機の初飛行をついに世界にお披露目した。
"空飛ぶスポーツカー"とも称される「Switchblade(スイッチブレード)」は、滑走路がマストな飛行機寄りタイプだが、道路も普通に走行でき、従来の駐車場やガレージにとめられるほどコンパクトだ。
また動力源はハイブリッドで、燃料は車と同じガソリンを使う。小さな機体でどこか懐かしいデザインの機体が、大空に飛び立つシーンをみてみよう。
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FIRST FLIGHT of the Samson Sky Switchblade Flying Sports Car・世界初公開のスイッチブレード。初飛行で高度150mで6分飛行
こちらは今年11月初め、アメリカのオレゴン州を拠点とするサムソンスカイが開発中のスイッチブレード試作機の初飛行をとらえたもの。
この乗り物は2022年にアメリカ連邦航空局FAA の耐空証明書を取得済み。公道走行可能な自動車として認可されている。
世界に初めて公開された映像では、滑走路から飛び立ったスイッチブレードが、なめらかに離陸して、きれいに高度を上げていく。
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チームに見守られながら、高度約150mまで上昇。約6分間の飛行の後に無事に着陸した。満面の笑みを浮かべるスタッフの様子からも飛行は大成功に終わったようだ。
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降りて来たベテランパイロットも笑顔でリラックスしていたようす。
滑走路も使うし電動でもないし、どちらかというと現行の軽飛行機にかなり近いような?ただしそのぶん飛行も安定してる気がする。・eVTOLではなくハイブリッドで燃料は車と同じガソリン
サムソンスカイによると、スイッチブレードは、"空飛ぶスポーツカー"だという。この新しい乗り物は2人乗りで、飛行はもちろん、車のガレージに収まるほどコンパクトになり、公道を走行できる。
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とはいえ、この乗り物が他の「空飛ぶクルマ」と一線を画す点はいくつかある。
見てのとおりスイッチブレードは「空飛ぶクルマ」としてよく引き合いに出されるイーブイトール、eVTOL(電動垂直離着陸機)とは異なり、垂直に離着陸もしないし電動でもない。
以下は"空飛ぶクルマ"について国土交通省の航空局の令和3年3月時点の資料からの引用だ。
明確な定義はないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」が一つのイメージであり、諸外国では、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)やUAM(Urban一方eVTOLではないスイッチブレードは、動力に独自のハイブリッド電気システムを搭載しており、燃料は無鉛ガソリン、つまり一般的な車に使うレギュラーガソリンを使用する。
Air Mobilty)とも呼ばれ、新たなモビリティとして世界各国で機体開発の取組がなされている。
そのため特別な燃料はなど不要で、よくあるガソリンスタンドで給油できる。・飛行時の最高速度305km。滑走路が必要で翼と尾翼は折り畳み式
前述したように残念ながらスイッチブレードには滑走路が必要だ。また飛行には自家用操縦士のライセンスが必要になる。
ただ翼と尾翼は折り畳み式で車並みにコンパクトにできる(走行用の保護モード)ので、車用ガレージに駐車でき、車とおなじく最寄りの空港まで運転できる。
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image credit:SWNS via Samson Flight
着いたら飛行モード(所要時間約3分)にして畳んだ翼などを展開したのち、滑走路から飛び立つ。仕様的には走行モードでタイヤが回り、飛行モードではプロペラが回転するそう。
走行時の最高速度は時速約200km以上。飛行時の最高速度はおよそ時速約305km。最高高度は13,000ft(約4000m)。厳密な燃費は不明だが、時速約257kmで最大約800kmまで飛行可能。
またスイッチブレードには2種類のタイプがあり、パイロットが晴天下で操縦できる18万ドル(約2600万円)のモデルと、さまざまな気象条件下で飛行可能な20万ドル(2900万円)のバージョンがあるそうだ。
いずれも組み立て式なため、車のように着いてすぐ乗れるわけではなく、専門家の組み立てが必要だ。・EV時代に逆行?すでに2300件以上の予約
これからのEV時代を逆行する気がしないでもないが「空飛ぶクルマ」を切望するターゲット、たとえばすでに、軽飛行機を利用している企業やパイロット(またはドライバー)にしてみれば、現状で即扱いやすく所有しやすい乗り物ともいえる。
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それを裏付けるように世界中からの需要はすでにあり、57カ国と米国全州から2300件以上の予約が殺到している。なおスイッチブレードは、米国内外で9件以上の特許を取得・申請中とのことだ。
サムソンスカイのCEOであり、スイッチブレードの設計者でもあるサム・バウスフィールド氏は、この試験飛行は長年の努力と執念のたまものだとし、スイッチブレード量産への意欲を見せている。
見ためもちょっとレトロな感じで頑丈そうなところも良さげ。それでかつ環境にやさしい構造ならいうことなしだが、現実にはここから徐々にシフトしてく流れになるかもしれないな。
References:goodnewsnetwork / simpleflyingなど /written by D/ edited by parumo
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