忘年会シーズンに知りたい!「死なない酒の飲み方」Q&A15

日刊大衆

写真はイメージです
写真はイメージです

 新型コロナウイルスによる行動規制が大幅に緩和され、初めて臨む年末年始。待ちに待った忘年会シーズンの到来だが、一方で、「東京消防庁によると、管内の急性アルコール中毒による緊急搬送数は12月が最多」(全国紙記者)

 と、楽しいはずの忘年会で、命を落としかねないという。そこで専門家に、死なないための極意を、一問一答形式で聞いた!

Q.酔わないために、飲む前に食べておいたほうがいいものは?

A.何事も準備が大事だ。新潟大学名誉教授の医師・岡田正彦氏によると、ゴマなど植物性の油を含んだ食材がベスト。特に居酒屋などで乾杯する前に、植物性油使用のドレッシングのかかったサラダを食べておくのがオススメだとか。

「アルコールは胃で7割、吸収されますが、油が胃の粘膜を保護し、その吸収速度を遅くしてくれます」(岡田氏/以下、同氏)

 なお、アルコールを分解する能力(酵素の活性力)には個人差があり、あらかじめ、自分の能力を知っておくことも準備のうち。

 ネットなどで販売される検査キット(約6000円)は、唾液などから遺伝子を採取し、酒の強さや弱さのみならず、アルコール依存症になりやすいなどのタイプまで分かるんだとか。

Q.健康を害するアルコール量は?

A.厚生労働省がまとめた「飲酒ガイドライン」では、純アルコール量換算で1日40グラム(ビール500ミリリットル缶で2缶相当)以上飲むと、生活習慣病のリスクが上がるとしているが、「欧米のデータでは、より厳しくなっている」という。

 たとえば、純アルコール量換算12 グラム(専用グラスに1杯程度=ビールなら350ミリリットル缶1缶弱)の飲み物を2~3杯で、「心筋梗塞や肝硬変、がんの死亡率が上がる」とされている。

Q.どのくらい飲んだら急性アルコール中毒になる?

A. 個人差はあるものの、「アメリカのデータでは、男性の場合、急性アルコール中毒にならないためには、2時間以内に5杯(ビールの350ミリリットル缶5缶)以上飲まないこと、というデータがあります。

 半年以上、酒を飲んでいない人が急に飲む場合、また、まだ飲み慣れていない若い人が飲むケースは、より注意が必要です」

Q.急性アルコール中毒の兆候は?

A.自分は大丈夫でも、連れが倒れることもあるだろう。(1)体を叩いても反応しない、(2)体が冷たくなっている、(3)呼吸が正常ではない飲んでいる相手が、こうなったら、すぐ救急車を呼ぶべし。

■血中のアルコール濃度を管理

Q.救急車が来るまでに、やることは?

A.「その間、嘔吐物が喉につまって窒息死してしまうケースが多いので、それを防ぐことが大事です」

 そのために(1)顔を横向きに寝かせる、(2)足をクロスさせて姿勢を固定させる、(3)その人の手を顎の下に入れる、などの処置が必要。

 ちなみに(3)は、顎を上げると気道がまっすぐになって、窒息しにくくなるため血中のアルコール濃度を管理に行う。

Q.酔わない酒の種類はあるのか?

A.醸造酒は穀類や果実などを発酵させて造った酒のこと。蒸留酒は、いわば醸造された酒から、原材料のエキスを飛ばしてアルコールの純度を高めたものだ。

 よって、当然、純アルコール量が多くなり、酔うリスクは高くなる。ビール・ワイン・日本酒などが醸造酒で、ウイスキー・焼酎・ブランデーなどが蒸留酒。酔うリスクを減らすなら、ビールなど醸造酒を飲むか、焼酎など蒸留酒を水で薄めて飲もう。

Q.飲み方のコツは?

A.「酒ばかり続けて飲むより、酒を飲んだら、水を一口でいいので飲むことです。

 そうやって、血中のアルコール濃度を薄めておきましょう」

 そのために、居酒屋などでは、あらかじめチェイサーの水をもらっておこう。

Q.もしも、酔っ払ってしまったら、どうすべきか?

A.「水分が失われ、血中のアルコール濃度が高くなっている状態です。とにかく水分を補給することです」

 以上、正しい「酒の飲み方」を守り、久しぶりの忘年会を楽しく過ごそうではないか。

■死なない「酒の飲み方」ビフォーアフター

Q.飲む前の牛乳はホントに効果あり?

A.「牛乳の乳脂肪が胃の働きを抑制してアルコール吸収を遅らせ、タンパクがアルコール代謝に役立つので効果ありです」(訪問医の清藤大輔氏)

Q.熱燗と冷酒、どっちが酔いやすい?

A.「冷酒はアルコール吸収が遅い分、酔いが感じられにくく、飲み過ぎる懸念が」(前同)。洋酒ではウイスキーはロックにせず、ビールは冷やさないのが◎。

Q.二日酔い防止の漢方薬は?

A.「漢方の『五苓黄解内服液』ですね」(同)。飲むのは飲酒後。二日酔い特有の尿量減少に対し、4種の生薬などが排尿を促して、アルコール分を出す効果が。

Q.飲んだら、してはいけないことは?その(1)

A.「風呂には入らないほうがいいでしょう。入浴中に突然死するリスクが上がります」(岡田正彦氏)。入るなら翌朝に。一晩くらい入浴しなくても死なない。

Q.飲んだら、してはいけないことは?その(2)

A.自転車に乗るのは、道交法で禁止されている。事故を起こせば「悪質な場合は5年以下の懲役、歩行者を死亡させたら車同様に無期懲役」(弁護士)と重罪。

Q.飲んだら、してはいけないことは?その(3)

A.この季節、甘い誘いにだまされ、生死に関わるぼったくりに遭う事件があると、警視庁生活安全部が警告する。中には酒に異物混入され、意識を失うケースも。

Q.酒に異物混入された際の見分け方は?

A.「睡眠導入剤は、酒との相乗効果で、早いと10分で効きます。ソピクロンは苦みがあるので、変な味がしたら飲むのをやめましょう」(前出の清藤氏)

「忘年会シーズンに知りたい!「死なない酒の飲み方」Q&A15」のページです。デイリーニュースオンラインは、厚生労働省睡眠ビールワインカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る