プロも大絶賛!47都道府県「ホカホカ温まる!」ご当地おでんランキング冬No.1決定戦
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![写真はイメージです](https://image.dailynewsonline.jp/media/e/f/ef51a2b5922a381f7ff42d076551f6db5d24992c_w=666_h=329_t=r_hs=96315121a30215a3e430abda9b0623ad.jpeg)
この季節に食べたくなる国民食には地域で大きな違いが! 地元が誇るスープや具、そしてタレを味比べ!
食品メーカー『紀文食品』(本社・東京)が行っているアンケート『紀文・鍋白書』において、1997年から25年連続で鍋喫食率1位をキープしているのが国民食“おでん”だ。
日ごとに寒さが増すこの季節は、ホカホカのおでんで、身も心も温まろう。
ということで今回は、有識者協力のもと、全国のご当地おでんを徹底調査。『週刊大衆』編集部が選んだた十傑を紹介しよう。
「室町時代に生まれた、豆腐を焼いた“みそ田楽”が江戸時代に入り、現在の形の煮込み料理の“おでん”へと進化しました。最初は、江戸の町の屋台料理の一つで、いわゆるファストフードだったんです」
こう解説するのは、ご当地グルメ研究家の椿氏だ。現在、おでん屋台は減っているが、近所で手軽に食べられる、コンビニおでんが大人気だ。
■異彩を放つ沖縄風、名古屋風は八丁みそ
そのコンビニでも楽しめるおでんの中で異彩を放つのが、第10位の『沖縄風おでん』だ。
「沖縄のコンビニはご当地色が強く、おでんも個性的。沖縄では定番の具のテビチ(豚足)、ソーセージなどはもちろん、最後の締めに食べる、沖縄そばの麺も販売しています。ちなみに、粒マスタードをつけて食べるのが沖縄流です。スタミナ満点の味わいなので、ぜひ、お試しを」(前同)
第9位は、愛知県の『名古屋風みそおでん』。
「甘くてコクのある、八丁みそのスープが食べ応え抜群。また、地元の居酒屋ではおでんとどて煮、串カツが定番メニューで、中には串カツを鍋にくぐらせてから提供するお店もあるんです。これがまたおいしい! 味が濃くて、ビールが進みますよ」(同)
さらに、左党にはうれしい、こんなニュースも。
「食品メーカー『ヤマサ』がある豊橋市では、来年1月末まで“おでんしゃ”というイベント電車が運行されます。『ヤマサ』の練り物を使ったおでんや、特製の日本酒が車内で楽しめるので、オススメです」(同)
■増えているパイオニア型
一方、名物おでん探究家の柳生九兵衛氏は、王道のみそおでん以外のおでんの存在を教えてくれた。
「おでんには、昔から食べられている地域密着型、町おこしなどで誕生した地域活性型、まだ提供しているお店は少ないものの、これから広まる可能性を秘めたパイオニア型の3種類があります。名古屋ではパイオニア型の“金山おでん”もオススメです。こちらはアサリだしがベースの、きれいな澄んだだしが特徴です。滋味深く、冬に食べるにはピッタリですよ」
■秋田料理きりたんぽが!
パイオニア型は他にも。第8位に選ばれた、『秋田おでん』も、それ。甘い味つけの煮物風おでんが広く親しまれている秋田だが、一部の飲食店では、それとは一線を画す、高級おでんが提供されているという。前出の柳生氏が言う。
「伝統の魚醤のしょっつるが隠し味の、無添加の一番だしが特徴。また、県魚であるハタハタ入りの自家製さつま揚げや、秋田料理のきりたんぽが入ったお揚げの巾着など、郷土色のある具もたくさん入っていて、非常にぜいたく。秋田の地酒と合わせて楽しめば、夢見心地ですよ」
■独自のつけダレも魅力
おでんのもう一つの魅力が、独自のつけダレだろう。各地には、具やスープのうま味を引き立てる、絶品のつけダレが存在する。その一つが、第7位、香川県の『高松風おでん』だ。
「おでんコーナーがある讃岐うどん店が多く、おでんとビールで晩酌しながら、うどんができあがるのを待つのが、日常の光景です。そんなおでんコーナーには、からしが入った白みそと、砂糖で味つけした赤みその2種のタレがあり、お好みで選べるのがうれしいです」(グルメ雑誌記者)
また、前出の椿氏は、家でおでんを食べる際にマネできる、香川流の食べ方を教えてくれた。
「香川には、余った煮物を天ぷらにする食文化があって、その派生形で、おでんの大根を天ぷらにするんですね。サクサクの衣の中から、大根にしみただしがジュワッとあふれて絶品。おでんが食べ切れなかった際は一度、試してください」
■青のり風味バツグン
続く第6位は、『静岡風おでん』。イワシやカツオの粉と青のりを合わせた、だし粉をかけて食べるのが特徴で、また、牛すじなどを煮込んだ真っ黒いスープもインパクト大だ。
「青のりの風味が強く、どこか懐かしさを覚える味わい。駄菓子屋でも売っていて、おやつ代わりに子どもの頃から慣れ親しんでいる県民も多いんだとか。また、青魚を骨ごとすり身にした黒はんぺんも、練り物好きは見逃せませんね」(地方情報誌記者)
■関東煮と大阪名物がコラボ!
さて、冒頭で述べた通り、おでんは江戸の屋台で誕生し、その後、各地へ広がっていった。名称に、その名残があるのが、第5位の大阪府の『関東煮』だ。東京おでんが西に渡り、独自の進化を遂げたのだ。
「東と西のおでんの最大の違いはスープです。甘辛い関東風に対して、関西風は薄口しょうゆの、あっさり味。関東煮の定番の具である牛すじやタコのうま味が、より感じられます。
また、梅の花の形をした、ほんのり甘い練り物のうめ焼きなど、関西でしか食べられないものもあります」(旅行ライター)
そんな関東煮を具材にした、知る人ぞ知る、ご当地グルメもあるという。
「大阪市の『お好み焼き さとみ』には、おでんの具が入った、特製のお好み焼きがあります。意外な組み合わせですが、おでんのだしが、お好み焼きの生地にしみて、新感覚のおいしさ!
具も盛りだくさんで、ボリューム満点でした。オススメです」(椿氏)
■老舗かまぼこ店がひしめく小田原
第4位は、神奈川県の『小田原おでん』だ。
「老舗かまぼこ店がひしめく小田原では、定期的に『小田原おでん種コンテスト』を開催しています。一般の方が考案したものも採用されるなど、年々、進化。有名な『小田原おでん本店』など、各店がバリエーション豊かなおでんを提供しているので、食べ歩くのがとても楽しいです」(前同)
では、いよいよベスト3の発表だ。
■陸奥湾名産のツブ貝がポイント
第3位は、『青森風おでん』。
「青森市周辺では、ショウガみそのタレをつけて食べるのが一般的。この食べ方は、戦後、冬の青函連絡船に乗るお客さんの体を温めてあげようと、屋台のおかみさんが出したのが始まりと言われています。スープは、陸奥湾名産のツブ貝のだしがきいていて、ホッとする味です」(椿氏)
身も心も温まる、冬にピッタリのおでんだ。
「ちなみに、青森風おでんとは別に、春に弘前城公園で開催される、『弘前さくらまつり』でしか食べられない、黒こんにゃくという名物おでんもあります。炭のように真っ黒で、まさに珍味です。ぜひ」(前同)
■名物“ぼたん焼きちくわ”発祥の町
第2位は、宮城県の『石巻おでん』が入った。
「石巻市は水産資源に恵まれていて、練り物作りが盛んな町。名物の“ぼたん焼きちくわ”の発祥の町としても知られています。
そんな石巻ですが、2011年の東日本大震災の津波で被災。大きなダメージを受けましたが、復興への取り組みとして、地域が一体となり、地元資源を活用した“石巻おでん”を開発したんです」(柳生氏)
そうした背景もあり、レトルトパックおでんの全国発送にも力を入れているという。自宅でも手軽に石巻おでんを味わえるのだ。
「練り物の味はもちろん、地元、金華山沖の海域で水揚げされた高級魚・金華サバを使用した特製のスープが絶品です。もちろん、ぼたん焼きちくわや、金華さばの身を使った揚げ蒲鉾“鯖天”なども入っていますので、ぜひ、味わってみてください」(前同)
■1位は日本一の“おでん県”冬のごちそう高級種
そして、栄えある第1位に選ばれたのが、石川県の『金沢風おでん』。北陸新幹線の開通を機に、一気に全国区の知名度を得た、今、最も熱いご当地おでんである。また、
「石川県は、人口あたりのおでん屋の軒数が日本一の“おでん県”。金沢市には、おでんの名店がたくさんあります」(椿氏)
そんな金沢風おでんは、巨大な車麩、紅白模様の赤巻、バイ貝、源助大根といった加賀野菜など、豪華な具が並ぶのが最大の魅力。中でもオススメなのが、「おでん種の王様といわれるカニ面です。カニの甲羅に身を詰めたもので、店によっては冬のごちそう“香箱ガニ”を使った高級なものも出しています」(前同)
その食べ方も特徴的で、「カニ面は、注文後にスープにくぐらせて提供されます。身がプリッとして、風味も強く、カニ好きにはたまらないはず。また、食べ終えたところに、日本酒の熱燗を注ぐ“甲羅酒”もあるので、ぜひ味わってみてください」(同)
この冬は、週刊大衆を片手に、日本各地のおでんを食べに出かけよう!
■今すぐ食べられる!3大コンビニおでん絶品3
セブンイレブン コンビニおでんの元祖。「セブンは販売地域に合わせて、だしや具を変化させているので、食べ歩きが楽しい! オススメは『味しみ白滝(120円)』で、コンニャクリングを外すと麵のように広がり、スープがよく絡むんです」(柳生氏)
ファミリーマート 焼津産カツオ節、枕崎産サバ節などの魚介に丸鶏のエキスを合わせた、飲み干したくなるスープが売り。「3社の中で唯一、『だし巻玉子(125円)』があります。食欲をそそる黄色い見た目と優しい味わいが、たまりません」(柳生氏)
ローソン レジ横おでんで狙い目は……「練り物です! 中でも、『ひじきと5種野菜のさつま揚げ(110円)』は野菜の甘みが感じられ、絶品です」(柳生氏)系列店『ローソンストア100』で販売中の“100円おでん”シリーズも大ヒット中。
■具材、だし、つけダレでこんなに違う!47都道府県「ご当地おでん」リスト
北海道 白子やホタテなど、豪華な具が入った札幌風が有名。
青森県 ショウガみそダレをつけて食べる。体が温まると評判。
岩手県 東北おでんの定番のつぶ貝は、岩手の名産品でもある。
宮城県 新鮮な練り物が魅力の石巻おでんは通販で全国対応!
秋田県 しょっつるを使った黄金色のスープの秋田おでんがある。
山形県 名物「芋煮」がある山形は、おでんに里芋を入れることも。
福島県 特産の馬肉を使った「會津(あいづ)おでん」が近年話題。
茨城県 生産量が日本一のレンコンは、おでんとも相性抜群。
栃木県 農業王国の栃木では、トマトおでんが人気。
群馬県 おでんの定番のこんにゃくの生産が全国トップ。
埼玉県 しゅうまいを練り物で包んだ「しゅうまい巻」を出す店も。
千葉県 郷土料理のなめろうを入れた「千葉さんがおでん」がある。
東京都 ちくわぶ、白はんぺんなど魚系の練り物が充実。
神奈川県 梅みそをつけて食べる「小田原おでん」がある。
新潟県 県産の南蛮海老しんじょうを入れたおでんが近年話題。
富山県 たっぷりのとろろ昆布を具にかけるのが富山流。
石川県 カニの甲羅に身を詰めた「カニ面」を出す店がある。
福井県 特産のサバの身を入れた「若狭おばま鯖おでん」がある。
山梨県 甲州地鶏などを有する山梨。
食べるなら、たまご!
長野県 長ネギ、削り節をあわせた特製ダレをかけて食べる。
岐阜県 岐阜市には、「おでんラーメン」を出す有名店がある。
静岡県 イワシ粉、青のりなどの「だし粉」をかけて食べる。
愛知県 八丁みそ、三温糖で作る甘辛い濃厚スープが特徴。
三重県 桑名市には、ハマグリおでんの有名店がある。
滋賀県 郷土料理の赤コンニャクは見た目も、味も◎。
京都府 淡口しょうゆの上品な味つけ。
具に湯葉が入ることも。
大阪府 通称「大阪風関東煮」。
具には牛すじ、タコが欠かせない。
兵庫県 別添えのショウガじょうゆをつけて食べるのが姫路流。
奈良県 名物「大和の雑煮」を有する奈良。食べるなら、もち巾着!
和歌山県 クジラ料理が残る和歌山には幻の具「コロ」があるかも?
鳥取県 郷土料理である「豆腐ちくわ」を入れる家庭もある。
島根県 鶏の手羽先をスープのだしと、具に使っている。
岡山県 鮮魚練り物のカステラを具に入れた「玉島おでん」がある。
広島県 牛すじ、アキレスをじっくり煮込んだ濃厚な味わい。
山口県 県産のタイのあらでだしを取った「長州おでん」がある。
徳島県 日本三大秘境「祖谷」には真っ黒おでんの有名店が。
香川県 白みそ、赤みその2種類のタレをつけて食べる。
愛媛県 宇和島市の名産「じゃこ天」は、四国おでんの人気の具。
高知県 紅カマボコ、ジャガイモなど色とりどりの具が並ぶ。
福岡県 博多では、練り物で餃子を巻いた「餃子巻」が定番。
佐賀県 佐賀とんこつラーメン店の中には、おでんを出す店も。
長崎県 卵を練り物で巻いた「竜眼(ばくだん)」がある。
熊本県 練り物好きの間では、八代市の「日奈久ちくわ」が有名。
大分県 特産の豊後牛などが詰まった「大分味力おでん」がある。
宮崎県 キャベツ、もやしなどをたっぷり入れるのが都城流。
鹿児島県 郷土料理の豚骨をベースにした、スタミナ満点のおでん。
沖縄県 豚足(テビチ)、ソーセージ・青菜が具に欠かせない。
※専門家の意見を基に本誌が作成