進化はこれまで考えられていたほどランダムではないことが新たな研究で判明

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進化はこれまで考えられていたほどランダムではないことが新たな研究で判明
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 新たな研究によると、進化はこれまで考えられていたほどランダムではなく、予測不可能なものではないそうだ。

 個性豊かで奇妙な生物たちを見ていると、それを作り出した進化の軌跡は不確実性もので、予測するのが難しいと思われていた。

 ところが英国ノッティンガム大学の研究チームによって、遺伝子同士には協力や対立関係があることが判明した。

 それはつまり、ランダムに見える進化であってもそれまでの経緯に左右されており、その後のこともある程度は予測できるということだ。

 『PNAS』(2023年12月26日付)で発表されたこの事実は、薬剤耐性菌との戦いや、さらには温暖化防止対策にもなる可能性があるという。

・進化の軌跡は予測可能か?
 今回の研究では、「進化の軌跡は予測可能か?」という重要な疑問に答えるため、パンゲノム解析が行われている。

 これは、ある種の全ての菌株のゲノムを比較して、共通する遺伝子と特異的な遺伝子を明らかにする手法で、1つの細菌種が持つ2500の完全なゲノムデータを分析した。

 そのゲノムデータを「ランダムフォレスト」という機械学習法で、数十万時間分もの処理を行い、何かパターンがないか探してみる。

 まず探されたのは、配列や機能が似ている「遺伝子ファミリー」だ。こうした遺伝子ファミリーを比べることで、ゲノム同士がどのくらい似ているのか知ることができる。・遺伝子ファミリー同士には協力関係や対立関係がある
 そして浮かび上がったのが、遺伝子ファミリー同士には、協力関係や対立関係があるといういことだ。

 例えば、ある遺伝子ファミリーがあると、別の遺伝子ファミリーは絶対に作られない。また、ある遺伝子ファミリーが作られるために、絶対に必要となる遺伝子ファミリーもあった。

  つまり、遺伝子同士が協力したり、対立したりと、まるで生態系のように相互作用していることがわかったのだ。
このような遺伝子間の相互作用によって、進化の姿をある程度予測できるようになります。それを予測するツールがあるということです(ノッティンガム大学 マリア・ロサ・ドミンゴ=サナネス博士)


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遺伝子ファミリー同士には、協力や対立といった関係がある。これを踏まえれば、ある程度その後の進化を予測できるという / Credit: Proceedings of the National Academy of Sciences (2023). DOI: 10.1073/pnas.2304934120/span・薬剤耐性菌の問題を解決できる可能性
 それは世界で懸念されている薬剤耐性菌問題の打開策になるかもしれない。

 抗生物質が効かない薬剤耐性菌は、現代医療を脅かす大問題だ。それが広まれば、これまで治すことができた病気まで治せなくなる恐れがある。

 そうした耐性菌の薬への強さは、遺伝子によって作られている。

 そして今回の研究によるなら、耐性の源となっているたった1つの遺伝子だけでなく、それを支えている遺伝子をターゲットにすることで、より効果的な対策を打てると考えられるのだ。
(このアプローチによって)新薬やワクチンにつながる新しい遺伝子構築物を合成できるようになります。今回の発見は、数々のほかの発見への扉を開くものです(ノッティンガム大学 アラン・ビーバン博士)
 またこの新発見は、薬剤耐性菌との戦いだけでなく、ストップ温暖化対策にもなるかもしれない。進化の軌跡を操作してやることで、炭素や汚染物質を分解してくれる微生物を作り出せるかもしれないからだ。

References:Contingency, repeatability, and predictability in the evolution of a prokaryotic pangenome | PNAS / Evolution is not as random as previously thought, finds new study / written by hiroching / edited by / parumo




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