大河『光る君へ』で注目!紫式部『源氏物語』が1000年読み継がれる理由 (2/2ページ)
青表紙本系の写本の一つで、浮舟巻を除く五十三帖まで揃っている点で希少なものとなる。ただ、大島本は15世紀後半に制作された写本なので、私たちが読んでいる『源氏物語』は、紫式部によるオリジナル版より数百年後のものとなる。
そして江戸時代初期になると、北村季吟の作った『湖月抄』は、『源氏物語』の本文に、会話の話し手や歌の詠み手の名前を書き加え、従来の注釈書の主要な見解を簡潔に抜粋して記したもので、これにより難解な『源氏物語』も多くの人に理解できるようになった。近代以後活字本が刊行されるまで多くの人に読み継がれた。そして、明治時代末期、与謝野晶子による現代語訳の偉業も、当初は『湖月抄』に拠ったとされている。3度目の訳が1938~1939年、金尾文淵堂から刊行され、今日まで晶子訳として流布している。
よくわからないままになっている『源氏物語』を、その魅力を知り、楽しんで読むためにも、本書を参考にしてみてはどうだろう。そして今年の大河ドラマも時代背景などを理解して楽しめるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)