「仕事がゆるいから辞めたい」現代の若手社員が抱える不安の正体 (2/2ページ)
これは一見、不合理に見える。「仕事がゆるくて辞める」ならば、仕事がゆるいが彼らにとってはストレスなのだ。本書ではさまざまな調査結果からそのストレスの正体を「このままでは別の会社や別の部署で通用しない」という不安だと結論づけている。
思えば、「仕事がきつくて辞める」若手社員が多かった時代は、その激務を辛いと感じながらも、自分が成長できているという実感は得られていたのかもしれない。翻って、職場環境が整備され、上司からの理不尽な仕打ちもなくなり、表向きは快適になった現代の職場で、若手社員は物足りなさを感じている。では、彼らが辞めないようにするにはどうすればいいのか。企業はこの難しい問題への対処を迫られている。
おそらく、この問題への答えは一つではないし、職場での心理的安全性や働きやすさを担保しながら若手が成長を実感できる環境を作ることは、おそらく可能だろう。しかし、いずれにしても現代の若手社員の心理についてもっと掘り下げて考える必要がある。本書では「ありのままの自分で、でも何者かになりたい」という彼らの心理に迫り、企業が彼らをいかに育成すべきかを考察していく。
新卒採用を行なっている会社であれば特に、若手は自社の未来を担う存在だ。人材の流動性が高まっている現代とはいえ、できれば若手が会社にとどまってほしいというのが願いだろう。本書はその願いを実現するために何をすべきなのかを考えるヒントをくれる一冊だ。
(新刊JP編集部)