プロ野球キャンプイン、ダルビッシュ有が日本球界に警告!「メジャーリーグでは非常識」トンデモ練習の功罪

日刊大衆

写真はイメージです
写真はイメージです

 侍ジャパンの精神的支柱として君臨し、日米通算200勝まで、あと4勝に迫るパドレスのダルビッシュ有(37)。そんな彼が旧態依然の日本球界に、また斬り込んだ。

「サンケイスポーツのインタビュー企画で、一部の指導者を“勉強不足”と厳しく断罪し、あるべき姿について提言したんです」(スポーツジャーナリスト)

 メジャーで10年以上にわたって活躍するダルビッシュといえば、最新のデータ分析機器『ラプソード』をいち早く取り入れるなど、トレーニングに対して誰よりも“科学的根拠”を求めるタイプで知られる。

「2月からのキャンプインを直前に控えた時期のこの発言には、彼なりに日本球界に釘を刺す狙いもあったのではないでしょうか。

 特に今回は、走り込みや投げ込みを偏重する“昭和式”指導法に、改めて異議を唱えているあたり、誰のことを言っているのか… …」(前同)

■巨人・阿部慎之助監督との一件

 思い起こされるのは、今から4年前の2020年3月。当時、まだ2軍監督だった巨人・阿部慎之助監督(44)との一件だろう。

「早大との練習試合で負けた2軍の選手たち全員に、ペナルティとして外野ポール間走を課しました。

 これに対して、コロナ禍でSNSでの発言が活発だったダルが、“(自身が在籍した)05年には、すでに日本ハムには無駄なランニングがなかった”と、暗に批判したんです」(同)

 さすがに、当の阿部監督も、すかさず反応。同年12月のファン感謝祭で、

「2軍に来たくないと思わせるくらい、また罰走をバンバンやらせて、ダルビッシュ君にチクチクと言わして、賛否両論になればと思います」と、冗談混じりに返したという因縁がある。

■スポ根指導でパワハラのレッテル

 今や球界のご意見番の風格すら漂うダルと、スポ根指導でパワハラのレッテルを貼られた感のある阿部監督 。

 すわ、4年前のバトル再燃かと思いきや、当時の経緯を知る巨人担当のベテラン記者は声を潜めて言う。

「このたびの就任会見でも“厳しく”という言葉を何度も繰り返してたんで、一部に“本当に大丈夫か!?”との声が挙がっていたのは事実ですが、初仕事となった昨年の秋季練習を見る限り、選手とは適度に距離を置いているようです」

 いったい何があったのか。ベテラン記者はこう続ける。

■原辰徳監督がみっちり帝王学

「4年前の騒動を受けて、当初は“3年は2軍監督で経験を”と考えていた当時の原辰徳監督が、自分の目の届く1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチへ配置転換したんです。

 ここで、みっちり帝王学を叩き込まれたと思いますよ。クレバーな人ですし、同じ轍を踏むことはないでしょう」

■“昭和式”は本当に悪なのか。

 ところで、これら“昭和式”の練習は、ダルが「才能のある選手が、かなり潰されている」と指摘するほど、本当に悪なのか。日米でプレーし、古巣の阪神でコーチ経験もある藪恵壹氏は、こう話す。

■ウエイトトレーニングは細分化

「たとえば、一口にウェイトトレーニングと言っても、今は驚くほど細分化されていて、何が、どの動作に効くかが全部、データで可視化されています。

 すでに代用となる方法論が確立されている以上、“下半身を鍛えるには走るのが一番”なんてのは、指導者の勉強不足です。練習をさせた気になるだけの自己満足でしかありません」

■選択権は選手にある

 とはいえ、それらは時と場合によりけり。筋肉に適度な刺激を与えるという意味では、走り込みが有用な場合も、もちろんある。

「肉体づくりをサポートするストレングスコーチが必要と判断すれば、仮にシーズン中でも“何本か走ろうか”と声がかかるのは、アメリカも同じ。

 決定的に違うのは、その場合でも選択権は常に選手にあるということ。コーチは、あくまで“やらせる”のではなく、“提案する”。だから選手の側も“指示待ち”ではダメなんです」(前同)

■科学的なトレーニングの有用性

 では、新生・阿部巨人は、どうなっていくのか。

「1軍監督の仕事は試合に勝つことで、育成が主のファームとは職責が違う。監督になったからには、阿部本人は、その責任を粛々とまっとうすればいいんです。

 今年45歳になる彼は、科学的なトレーニングの有用性を肌で感じてきた世代。そう、心配することはないですよ」(同)

■1億5000万円を投じた最新のデータ解析設備

 いみじくも、ファームの新ジャイアンツ寮には昨年末に『GBASE』と名づけられたトレーニング棟が併設され、最新のデータ解析設備が1億5000万円もの巨費を投じて整うなど、“脱・昭和式”に向けた準備は進んでいる。

■遅刻常習犯の秋広優人に鉄槌

「それでも、遅刻常習犯の秋広優人(21)には鉄槌を下すなど、厳しさは健在です。アメとムチ、うまく使い分けてくれるといいんですが」(前出のベテラン記者)

 今季は“シン・阿部式教育”にも注目したい。

「プロ野球キャンプイン、ダルビッシュ有が日本球界に警告!「メジャーリーグでは非常識」トンデモ練習の功罪」のページです。デイリーニュースオンラインは、原辰徳阿部慎之助ダルビッシュ有MLB巨人エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る