pecoさんが、本当は「あの時に」伝えたかったこと。初エッセイ『My Life』書評 (3/4ページ)
彼女が、人は人で、自分は自分と切り分けて考え、自分らしく生きることを地でやってのけられるのは、服への強い愛があることも大きいのかもしれないと、本を読みながら思った。
流行り廃りに関係なく、自分の好きなスタイルを貫いているpecoさん。自分の好きなものへの気持ちは、自分にしか分からないとも語っていた。それだけ強い気持ちがあるから、自分という存在のかたちが分かるのだろう。そして、自分のかたちが分かるからこそ、他人との違いを受け入れることができるのだろう、とも思った。
私は、そんなpecoさんを羨ましく感じる。人と比べることなく、誰かの考えを自然に受け入れることができたら、きっと生きやすいと思う。自己承認欲求から切り離されたところにいる彼女の生き方はとても参考になるけれど、彼女は本の中で「全部真似しなくたっていいから、自分と合う部分があると思ったら、そこだけやってみてくれたらいいと思う」とも言ってくれていた。
誰かになろうとする必要なんてない。ただ、自分らしくいてほしいという彼女の語りかけを受けて、もっと自分を大切にしたいとも思った。
■SNSでの「意見」に左右されないpecoさんの強さと、私たちがこれからできること
ryuchellさんが天国に行ってしまったあと、ネットは騒然とした。この時もいろいろな憶測が起こり、ネットでの誹謗中傷問題が深刻に報道された。にも関わらず、何度だって悲劇は繰り返される。ネットでの匿名性を利用して「Aが悪い」「Bは悪くない」と、自分が守ろうとした人と違う立場にいる人を無自覚に傷つける。だけど、pecoさんはそういったネットの攻撃性も「自分には関係ない」と思っているという。
いつか、育っていった息子がSNSでの評価にさらされる日が来ても「あなたが最高だよ!」と声をかけ続けたい、とも語っていた。単純に、未来を見据えて愛する我が子を肯定し続けられるpecoさんはやっぱりすごい。ただ、そんなpecoさんの意見を目の当たりにしたからこそ、ネットだとかリアルだとか関係なく、少しでも優しく平和な世界になっていけばいいなとも思った。