30年以上警察から逃げ回っていた連続殺人犯がテレビのクイズ番組に出演
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フランスで、31件の殺人や性的暴行に関与したとして30年以上警察から逃げ回っていた男が、テレビのクイズ番組に平然と出演していた。
もう誰も自分のことなど覚えていないとでも思ったのだろうか?この人気番組で自分の顔が全国に放映されることなど気にならなかったようだ。
だが番組に出演したことがきっかけで、警察の包囲網がすぐそばにまで及んだ。元警察官でありシリアルキラー、フランソワ・ヴェロヴの生涯を見ていこう。
・連続殺人容疑者は元警察官
フランス、グラヴリヌ出身のフランソワ・ヴェロヴは元警官だったが、31件の殺人とレイプに関与した疑いが持たれていた。
目撃者の証言から、顔にニキビ跡が目立つため「あばた面の男」と呼ばれていたこの男は、30年以上も警察から逃げ回っていた。
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連続殺人容疑者、ヴェロヴの指名手配用の似顔絵 ・人気のクイズ番組に堂々と出演
ところが2019年、世をはばかっているはずのヴェロヴが、昼の人気クイズ番組” Tout le monde veut prendre sa place”(誰もがチャンピオンの座を狙っている)に出演したのだ。
過去におぞましい罪業があるにもかかわらず、ヴェロヴは司会者とにこやかに談笑していた。
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2024年のパリオリンピックで新たに導入されるスポーツはなにか?という質問に、彼はスカッシュと答え(正しくはブレイクダンス)、結核ワクチンがBCGであることも間違えた。
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・番組を見た報道機関が、ヴェロヴ容疑者であることを特定
フランスの報道機関「マリアンヌ」は、変装するでもなく身元を隠そうともせずに厚かましくもテレビに出演したシリアルキラーをすぐに特定した。
それが公表されると、犯人は元警官だと確実視され、顔の特徴も周知されていた、にもかかわらず、なぜヴェロヴはこれほど長らく見つからなかったのか、という疑問が世間で巻き起こった。
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Francois Verove, le tueur en serie surnomme le "Grele", avait participe a un jeu televise・警察の追手が迫り、テレビ出演の2年後に自死
このクイズ番組がオンエアされてから2年後の2021年、59歳だったヴェロヴは、自ら薬を過剰摂取して命を絶った。包囲網が狭まり、逮捕が近いと悟った末の自死だった。
結婚していて二児の父でもあったヴェロヴは完全な二重生活を送っていて、あろうことか住んでいたラ・グランデ・モッテ地域の中心人物でもあったようだ。
ヴェロヴは、自分を悪魔の道に導いた「狂った怒り」を嘆く遺書を残していた。
「それに耐えきれず、罪のない誰かを破壊し、汚し、殺してしまわなくてはならないと時が何度もあった」と書いている。
彼の遺体は隣町のアパートで見つかった。
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・ヴェロヴの犯した罪
1986年、パリで11歳のセシル・ブロックの遺体が発見された。残されていたDNAからヴェロヴが犯人であることが特定されていた。彼は少なくともほかにふたりの子どもを性的暴行したこともわかっている。
翌年の1987年、航空技術者のジル・ポリティ(38)とドイツ人オーペア(住み込みで外国語を学ぶ外国人)のイルムガルト・ミュラー(20)が新たな被害者になってしまい、やはりパリで遺体が見つかった。
ヴォロヴは1994年までに31件の殺人と性的暴行に関わったとされている。
ヴェロヴの残された妻は、この事件についての著作があるパトリシア・トゥーランショー氏に、自分の夫が殺人犯だと疑ったことは一度もないと語っている。
トゥーランショー氏は、ヴェロヴがいかに普通の人を装っていたかを指摘する。「彼がクイズ番組に参加し、平然としてまわりの人と競っているのを見ると愕然とする」と書いている。
でもそれは同時に、とんでもない凶悪犯でもごく普通の人となんら変わらないように見えることを裏づけている。かろうじて難を逃れた生存者の証言によると、ヴェロヴは警察のバッジや警察用語を巧みに使って、ターゲットを安心させて誘い出していたという。
極悪非道の人間でもひと目でわかる怪物の頭を持っているわけではないのだから(トゥーランショー氏)
References:Serial killer appeared on TV quiz show while hiding from police in plain sight / Serial killer laughed while evading justice as he appeared on TV quiz show during police hunt / written by konohazuku / edited by / parumo
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