現代社会で使える武士道!江戸時代の武士道教本『葉隠』より、主君に応じた忠義の使い分けノウハウ (2/2ページ)

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もし、そういう存在がいないと、主君は「誰も自分には逆らえず、家臣たちは揉み手で媚びへつらう者ばかりだ」と思い上がってしまうでしょう。そうなるともう目も当てられません。誰の言うことも聞かなくなってしまい、最後は暴走するまま誰も止めることなく大失態を犯してしまうでしょう。

それを防ぐためにこそ、常に油断ならぬ存在たらんと心がけねばならないのです。しかしそうした心得のない者が、ただ我のみ気に入られようと主君に取り入るのは、実に残念でなりません。……との事でした。

終わりに

たとえ理不尽な仕打ちを受けようと、お天道様は見てござる(イメージ)

主君を思えばこそ、主君にとって油断ならぬ存在であろうと努める。たとえ真意が伝わらなかったとしても、解る人には解るものです。

我が身の出世や保身だけを考えて主君に取り入るのは、かえって組織のためになりません。

組織や事業全体を俯瞰すればこそ、あえて主君の意に染まぬ態度もとり得る。それを理解できる度量が、組織のトップには求められます。

※参考文献:

古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月

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