シジュウカラは翼をパタパタさせて「お先にどうぞ」のジェスチャーをすることが判明 (2/4ページ)
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餌をくわえて翼をパタパタさせてメッセージを送るシジュウカラ / image credit:Suzuki and Sugita, 2024/ Current Biology・シジュウカラの翼パタパタは、お先にどうぞのメッセージ
日本を含む東アジア、ロシア極東に生息する野鳥、シジュウカラは春になるとつがいを作り、樹にあいた小さな穴の中に卵をうみ、夫婦協力してヒナにエサを運ぶことで知られている。
鈴木准教授らは、2023年5~6月にかけて長野県北佐久郡の森に巣箱を取りつけ、その中で子育てをするシジュウカラのつがい(合計8組)を観察してみた。
巣箱の入り口は小さく、2匹が同時に入ることはできない。研究チームは、そんな巣箱を利用するシジュウカラが面白いことをしているのに気がついた。
シジュウカラが2匹同時にエサを持ってやってくると、片方が翼を小刻みにパタパタさせるのだ。すると、もう片方が巣箱に入っていく。
この行動をするのは大抵がメスで、それを見たオスが先に巣箱へと入っていく。メスのこの仕草が観察されたのは合計24回。うち23回はオスが先に巣箱に入って行った。
だがメスがこの行動を取らなかったとき、先に巣箱に入るのはメスだ。また1匹だけで巣箱に戻ってきたとき、翼パタパタは1度も行われなかったという。
シジュウカラは何らかの目的(巣箱に先に入るよう伝える)のために翼を振るわせ、目的が達成される(オスが巣箱に入る)とこの行動をやめる。
これはジェスチャーの定義を満たすもので、このことから翼パタパタは「お先にどうぞ」を意味するジェスチャーであると結論付けられている。