米川伸生「回転寿司は一期一会。目の前のネタを取るか否か、その楽しさを味わってほしい」麻美ゆまのあなたに会いたい!(後編)

日刊大衆

米川伸生(左)と麻美ゆま
米川伸生(左)と麻美ゆま

 前回に続いて、回転寿司評論家の米川伸生さんとの対談です。

 その地域でしか食べられない“ご当地”回転寿司を求めて、日本全国を駆け巡っている米川さん。

 前回は、東日本を中心にオススメの回転寿司屋さんを教えてもらったので、今回は西日本編。回転寿司の進化の歴史なども、教えてもらいました。

■西日本のオススメは

ゆま「西日本の回転寿司屋さんだと、オススメはどこですか?」

米川「たくさんありすぎて、困ってしまうんですが……まずは広島の『すし遊館』さんですね。ここは最近、一番衝撃を受けたんですが、取り組みが素晴らしい。回転寿司コーナーのすぐそばには、白木の一枚板の本格的な寿司コーナーもあるんです」

ゆま「へえー。どっちかを選べるんですね。目の前で板前さんに握ってもらってもいいし、回転寿司で気軽に食べてもいいし」

米川「そうなんです。本格的な寿司コーナーに行けば、職人さんの力の入ったお寿司を味わえます。

 もちろん、回転している寿司も同じネタですから、おいしいですし、お値段も地獄のように安いんです(笑)」

ゆま「地獄のように安いって、すごい表現ですね。でも、私はやっぱり本格的なのは緊張するから、回転寿司コーナーがいいかな」

米川「まさに、ゆまさんのような人にオススメです。ここのコンセプトは、カウンター寿司未経験の人でも、本格的な回らない寿司を気兼ねなく体験してもらいたい――というもの」

ゆま「私のような素人でも、本格的なお寿司屋に挑戦できるんですか?」

米川「はい。とりあえず気軽に回転寿司を食べればいいんです。そこから、隣の本格的な寿司コーナーも見えますから、“これなら気取らなくても、いけそうだ”と思えるんです」

ゆま「そっか! まずは様子をうかがえるんですね」

■デートコースに

米川「そうなんです。2021年に、銀座の高級寿司『おのでら』さんが、回転&立ち食い寿司をオープンして、話題になったことはご存じですか?」

ゆま「ありましたね! 私も、すごく興味を持った覚えがあります」

■若いカップルも多い

米川「実際、お客さんも若い人が多かったんです。20代ぐらいの若いカップルもたくさん来ていて、ビックリしました。

 だけど、それを見て“あ~、やっぱり今の若い人も本当は、ちゃんとした江戸前寿司を食べてみたかったんだ”と実感したんです」

ゆま「めちゃくちゃ分かります。だって、高級なお寿司屋さんって、注文の仕方もよく分からないし、“お任せ”にするのが一番なのかとか、食べ方は、これで合っているのかとか、失礼なことをしていないかとか、不安ですもん(笑)。

 でも、回転寿司となれば慣れているから、入りやすいんですよね」

米川「男性としても、本格的な江戸前寿司のお店に慣れておけば、デートコースに組み入れられます」

ゆま「それ、大事です! 高いお寿司屋さんにさらっと入れて、自然と注文できる男性って、かっこいいです」

■九州の名店

米川「話が少しそれましたね。西日本の回転寿司では、僕が九州に行くと必ず出向くのが、福岡の『ひょうたんの回転寿司』さんです。ここは、とにかく回っている寿司のネタが普通じゃないんです」

ゆま「普通じゃない!? どんなのがあるんですか?」

◆福岡でしか食べられない新鮮な海の幸

米川「福岡でしか食べられない新鮮な海の幸がそろっていて、どの寿司にも職人さんの一手間が加えられているんです。

 だから、レーンで回ってくると、もう、おなかいっぱいなのに、つい手が出てしまう。“これを今逃したら、もう会えない”と(笑)」

ゆま「回転寿司ならではの楽しみですね」

米川「おっしゃる通りで、回転寿司の魅力は一期一会。今、目の前にあるネタを取るか取らないか。ここは、そういう悩む楽しさを存分に味わえるお店です」

■新幹線レーンで来る『かっぱ寿司』

ゆま「あ~、ますます回転寿司を食べに行きたくなりました。最近、新幹線レーンで来るお店もありますよね。あれも楽しい」

米川「新幹線は『かっぱ寿司』さんですね。注文してから運ばれてくるスピードも本当に速くなりました」

ゆま「昔はもっと、ゆっくり回っていましたもんね」

米川「回転寿司は日々進化しているんです。ゆまさんの年代は知らないと思いますが、昔の回転寿司はお茶もレーンで回っていたんです。ただ、それだと掴み損ねて、“熱い!”とヤケドする人が続出しました。

 それを受けて、次はお茶の入ったポットを回したんですが、これも不評。その次に現れたのが、お茶用のレーン。でも、これも注ぎにくいわ、ずっとお茶が流れているから味も濃くなるわで、クレームが殺到したんです(笑)」

■お客さんのクレームから進化

ゆま「そういう歴史があって、今のお茶の粉を入れて、お湯を注ぐスタイルが確立されたんですね」

米川「回転寿司はお客さんのクレームから、進化しているんです。ちなみに三大クレームといわれているのが、“注文してから遅い”と“違ったものがくる”と“注文しても来ない”」

ゆま「今はタブレットで注文するようになって、間違いはなくなったし、高速レーンにもなった。お客さんからのクレームに応えてきた結果なんですね」

■世界に誇れる文化

米川「はい。今後は、もっと良くなると思います。なんといっても、回転寿司は日本の世界に誇れる文化ですからね」

ゆま「お話を聞いていると、おなかが空いてきちゃいました(笑)。この後、食べに行ってきます!」 (おわり)

よねかわ・のぶお 1966年、東京都生まれ。1970年、大阪万博で元祖寿司と出合い、回転寿司の魅力に取りつかれる。以降、回転寿司評論家として活動中。
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