細菌を遺伝子操作、自ら色素を作り出し染色する代替レザーを開発 (2/4ページ)
植物の主要な成分でもある「セルロース」を作ることが得意な細菌で、今回のバイオ代替レザーにもこの特徴が利用されている。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンのトム・エリス教授らによる実験では、コマガタエイバクターを靴の形をした容器に入れると、14日ほどで靴と同じような形のセルロースシートが”育った"。
もう1つ重要なのは、この細菌の遺伝子が操作されていた点だ。
その遺伝子はメラニン色素をつくり出す色素細胞(メラノサイト)が持っている酵素「チロシナーゼ」に関係するもので、メラニン色素の生成を抑える作用がある。
靴型に育ったセルロースシートを優しく揺らしてやると、コマガタエイバクターはメラニン色素を作り出し、画像でご覧の通りレザーらしい黒い光沢に染め上がった。
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靴の型に細菌を入れると、14日ほどでこのような革靴が”育つ”/Image credits: Imperial College London
また同じ方法で作った2枚のシートを縫い合わせ、おしゃれなお財布も作られている。・生分解性で自然にやさしいバイオ代替レザー
こうしたプロトタイプは、この技術が単なるお遊びではなく、実用的なものであることを物語る。
エリス教授は、「持続可能な自己染色代替レザーの迅速な新製法の発明は、合成生物学と持続可能なファッションにとって大きな成果です」と、プレスリリースで語る。
同教授によると、細菌が作るセルロースは本質的に”菜食主義”なのだという。
だから、それを育てるために排出される二酸化炭素はわずかで、使用される水・土地・時間も牛の飼育に比べればごく少ない。