人間の脳は過去数十年で大きくなっている。健康に影響はあるのか? (3/4ページ)
遺伝は脳の大きさを決める大きな要因ですが、私たちの発見は、健康・社会・文化・教育といった外的な要因もまた影響を与えている可能性を示しています今回明らかになったことは、脳の「認知予備能」が高まった可能性をも示している。
認知予備能とは、認知症などへの脳の耐久力のこと。これが高ければ、老化や病気によって脳が劣化したとしても、はっきりわかるような認知症の症状が生じないですむ。
脳の体積や表面積が大きければ、たとえばアルツハイマー病などにかかったとしても、大きくなった分病気の悪影響がないまま生活できるようになる。
実際このことは、認知症の発症が少なくなっているという過去の研究によって裏付けられる。
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photo by iStock・ただし被験者に偏りがあるため、更なる研究が必要
なお今回の研究は、調査対象における非ヒスパニック系白人や健康で高学歴の人の割合が多いといった弱点もある。
そのため、この結果から人口全体がそうだとは単純には言えないとのこと。また因果関係を証明したものでもない。
私たち全員の脳が本当に大きくなっているのかどうか明らかにするためには、もっと多種多様な人たちを調査する必要があるとのことだ。
この研究は『JAMA Neurology』(2024年3月25日付)に掲載された。