八角理事長続投の報復人事「貴乃花の乱」の二の舞か…相撲協会が葬った「大乃国クーデター」

日刊大衆

写真はイメージです
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 5月12日に開幕する大相撲夏場所。観戦チケットは早くも完売、盛り上がる両国国技館とは裏腹に、土俵外はキナ臭いムードに包まれている。

芝田山親方が左遷

「関係者の間で話題となったのが、3月27日に発表された日本相撲協会の執行部人事です。八角理事長の続投で世間からは変化がないようにも見えますが、実は長年、幹部として君臨した元横綱・大乃国こと芝田山親方が、左遷されていたんです」(ベテラン相撲記者)

 あの千代の富士の53連勝に土をつけた名勝負で知られ、“スイーツ親方”の愛称でも人気を博した大乃国。

 2018年2月に理事に初当選すると、協会の中枢である広報部長に就任する。23年からは、事業部長も兼務し、今年はナンバー2の座が確実視されていたのだが。

「事業部長には、新たに春日野親方(元関脇・栃乃和歌)が就任。大乃国が長年務めていた広報部長の座には、佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)が抜擢されています」(前同)

 一方、大乃国の新たな職務はというと、相撲教習所の所長だ。

「新たに入門した力士の教育を担う部門ですが、仕事は入所式と卒業式くらい。

 要は閑職で、協会執行部からも外れることになりました。関係者らは、この異例人事に、八角理事長からの“報復”かと、臆測を巡らせています」(同)

 協会の内部事情に詳しい、関係者はこう言う。

「大乃国が八角理事長体制の打破を狙い、3月の理事長戦で“クーデター”を起こしたことが背景にあると見られています」

 大乃国が立ち上がった裏には、相撲協会を揺るがす、ある事件があったという。

残業代の未払い、職員へのパワハラ

「昨年、相撲協会は、総額1億円にも上る残業代の未払い、職員へのパワハラを巡って、労働基準監督署から5回も立ち入り調査を受けたあげく、是正勧告を出されたんです。これは、公益財団法人の認定を取り上げられかねない深刻な不祥事です」(前同)

 にもかかわらず、責任者である事務方トップの宮田哲次主事は、出勤停止1か月の処分のみ。今もトップに君臨したままだ。

「宮田主事は一部職員の給与を一方的に減額するなど、職権を濫用していたことが報じられています。それができたのも八角理事長の側近だからともっぱらですが、ゆえに処分も大甘。不祥事後も、主事への権力集中の構図は変わりません」(同)

 こうした協会内の腐敗に皆が目を背ける中、「“ガチンコ横綱”の血が騒いだのか、異を唱えたのが大乃国だったといいます」(同)

報復を恐れた理事たち

 ただ、協会に逆らえば、どうなるか。

「皆、“貴乃花の乱”が脳裏に焼き付いていますからね。

 10年に理事選に強行出馬したときから目を付けられていた貴乃花は、17年には愛弟子・貴ノ岩の暴行事件を巡り、八角理事長と真っ向対決。最終的には協会から追い出される形で、18年、自ら親方の職を辞すこととなりました」(夕刊紙記者)

 その二の舞は避けたいと思うのが普通だろう。

「“八角理事長降ろし”は、報復を恐れた理事らの賛同を得られず票集めに失敗。“大乃国の乱”は不発に終わったようです」(同)

 スイーツ親方・大乃国の今後は甘くないようで……。

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