ベートーヴェンの毛髪から高濃度の重金属を検出、難聴の原因である可能性 (2/4ページ)
ただし死因とは考えにくい
「交響曲第9番」や「運命」をはじめ、数々の名曲を書いた楽聖ベートーヴェンだが、20代で聴力が悪化しはじめ、40代後半には完全に耳が聞こえなくなっている。
また慢性的な腹痛や下痢に悩まされ、2度ほど黄疸(肝臓に問題があったと考えられる)が出るなど、若いうちから健康に苦しんでいたらしいことが知られている。
こうした症状の原因の1つは、この鉛による中毒だった可能性があると、今回の研究は指摘する。
ただし、鉛中毒はベートーヴェンの唯一の死因だとは考えにくいようだ。
鉛は確かに、難聴や胃・肝臓の障害に関連しているが、それだけで死ぬほど高濃度でもないからだ。なお今回の研究は、ヒ素と水銀が体に与えた影響に触れていないため、死との関係性はわからない。
[画像を見る]
ベートーヴェンの肖像画(1803年) / image credit:public domain/wikimedia・大好物のワインと魚が鉛中毒の原因か?
なぜベートーヴェンはこれほどまでに鉛に汚染されてしまったのか? もしかしたら、それは当時彼が愛飲していたワインが関係しているかもしれない。
ベートーヴェンはワインが大好きで、しばしば1日にボトル1本を飲み干していた。
だが当時、ワインには保存料や甘味料として酢酸鉛が入れられることがあり、しかもガラス瓶にも微量の鉛が含まれていた。