伝説の陰陽師・安倍晴明は地味な公務員!まるで”魔法使い”のような呪術の逸話は全てフィクション【前編】 (4/5ページ)
式神の力
エンタメの世界で安倍晴明の名前になじんだ人なら、陰陽師と言えば「式神」を真っ先に思い浮かべることでしょう。こうした式神にまつわる話は『今昔物語集』にもあります。
ある日、晴明が若い公家や僧侶たちと雑談していると、式神を使って人を殺せるかと聞く者がいました。晴明は「簡単には殺せません。虫などはたやすく殺せますが、罪になる無益なことです」と答えた。
すると、公家らは「庭の蛙を殺してみせてほしい」としきりにせがみました。
仕方なく、晴明が草の葉を取って呪文を唱えて蛙に向かって放つと、葉が蛙の上に乗り、蛙はペしゃんこに潰れてしまいました。
まだあります。『宇治拾遺物語』によると、藤原道長は毎日法成寺を参拝していましたが、ある日、門を入ろうとするとお供の白犬が吠えたり裾をかんだりして妨害しました。
そこで晴明が占うと、道長を呪った呪物が道に埋まっていることが分かり、掘ってみると朱文字が書かれた土器が出てきたのです。
晴明は「これは道摩法師がしたことかも知れません」といって、懐から取り出した紙を白鷺の姿に変えて飛び立たせました。