日本史上唯一、天皇を暗殺させた人物「蘇我馬子」の”独断犯行説”は現代では否定されている (2/4ページ)
こうしたストーリーに基づき、馬子は独断で天皇殺害という歴史上未曾有の事件を起こしたとんでもない人物としてイメージされてきました。いわばこれが従来の「通説」だったわけです。
しかし現在、この通説は否定されています。天皇殺害は馬子が一人で企んで実行したわけではなく、有力豪族たちの合意のもとで実行されたと考えられているのです。
つまり馬子一人が独断で暗殺計画を立てたのではなく、今の法律の用語で例えるなら共同謀議があったということですね。
今回は、そうした現在の通説についてみていきましょう。
政局に混乱なし崇峻天皇暗殺において、豪族たちの共同謀議があったという説には、ちゃんとした根拠があります。
それは、崇峻死後の朝廷の反応です。天皇殺害という大事件が起きたにもかかわらず、政局に大きな混乱が生じていないのです。
だいたいこの事件は、暗殺されたその日のうちに崇峻が埋葬され、暗殺からほとんど間を置かずに推古天皇が即位するなど、突発的な事件にしてはやたらと後処理がスムーズなあたりが不自然なのです。