女性天皇と愛人関係に!奈良時代の僧侶「道鏡」の悪評、実はとんだとばっちりだった… (4/4ページ)
孝謙が道鏡擁立を主導したのなら、『続日本紀』の不可解な記述も説明がつきます。
同書は朝廷の正当性を示すために書かれた書物なので、称徳天皇が否定的に見えないよう配慮したとしても、おかしくはありません
気を利かせたことによる「とばっちり」?では、「道鏡を皇位につかせよ」という神託があったという神託事件も天皇が主導したのでしょうか。
その可能性も指摘されていますが、ここで注目したいのは別の説です。宇佐八幡宮が気を利かせて神託を出したのではないか、という説があるのです。
称徳が仏教を重んじて道鏡を非常に優遇していたことは、朝廷や寺社でも有名でした。そこで気を利かせた神託を出したのではないか、というわけです。
『続日本紀』にも、道鏡や天皇が神託を出すために裏工作をしたという記述はありません。この記述が正しいと考えれば、失脚後に重罪にまでならなかったこともうなずけます。
道鏡にしてみれば、寺社が気を利かせてくれたおかげでかえって迷惑を被る結果になった、とばっちりのような事件だったのかも知れません。
参考資料:日本史の謎検証委員会・編『図解最新研究でここまでわかった日本史人物通説のウソ』彩図社・2022年
画像:photoAC,Wikipedia
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