「お日さまを浴びて芝生を感じて、大好きな人にキスをする。こんなに幸せな馬生はないよ!」盲目の老馬、保護施設で第二の馬生を満喫する

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2021年のある日のこと、「目が見えない」「老いてきた」という理由で、オーナーから見放されようとしていた馬がいた。バディという名前のその馬は、まさに安楽死させられる当日に保護され、終の棲家となるCatskill Animal Sanctuaryへとやって来たんだ。
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Old blind horse learns to live again
アメリカのニューヨーク州にあるCatskill Animal Sanctuaryは、家畜などの動物たちを保護し、安心して暮らせる環境を提供している保護施設である。
間一髪、安楽死の寸前で助けられ、この施設にやって来たのは、盲目のアパルーサ種の馬、バディだった。このとき、バディは31歳。2021年のある日のことだった。
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この施設には、他にも資格を失った馬たちがいたので、「言葉」で出される指示に従う訓練のノウハウがあった。バディにもまず「STOP」「UP」「DOWN」のほか、「水」など簡単な単語が教えられたが、彼はあっという間にそれらを理解し、新しい環境でも自由に動き回れるようになったんだ。
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ニンゲンでも良く言われることだが、盲目というハンディキャップがある場合、他の感覚がより研ぎ澄まされることもあるようだ。バディも例外ではなく、すべての感覚を使って周囲で起きていることを理解しようとする。
バディは頭をすりつけて愛情表現をしたり、地面に転がって遊ぶのが好き。
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この施設では教育のために、見学者を受け入れているんだけれど、彼らの多くはバディを見ると、すぐに「かわいそう」と同情するんだそう。
なんせバディは既におじいさんで、目が見えないだけでなく歯がないし、他にも様々な病気を抱えている。だけどバディは毎朝目を覚ますと、自分の足で外へ出て日差しを浴び、力強く歩くんだ。
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施設の創設者、キャシー・スティーブンスさんは語る。
「でもね、彼らをバディのところへ連れて行くと、同情する必要はないって言うことがわかってもらえるの。彼はここでの暮らしを、本当に満喫しているんだもの」
「バディは目が見えないけれど、誰だって何かしらそういったものを持っている。足が悪いとか、いろいろね」
「彼らに残されている時間は短いかもしれない。でも私たちは、少なくとも彼らにここで快適さや喜び、そして自由を提供できる。目が見えない動物も、目が見える動物と何も変わらないのよ。私たちはみんな誰もが、生きるに値する生き物なんだから」
written by ruichan
※この記事はカラパイアの姉妹サイト「マランダー」に掲載されたものです。面白い動物情報を集めたマランダーの方にも是非訪れてみてください。
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