電子レンジの中は細菌がいっぱい。過酷な環境でも繁殖する「極限環境微生物」の宝庫だった

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電子レンジの中は細菌がいっぱい。過酷な環境でも繁殖する「極限環境微生物」の宝庫だった
電子レンジの中は細菌がいっぱい。過酷な環境でも繁殖する「極限環境微生物」の宝庫だった

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 きわめて厳しい環境にも耐えられ、しかも繁殖できる「極限環境微生物」は、とても身近なところにいる。それはキッチンではお馴染みの電子レンジの中だ。

 『Frontiers in Microbiology』(2024年8月8日付)に掲載された研究では、電子レンジ内に潜む細菌を調査し、そこに独自の細菌叢が存在することを明らかにしている。

 差し当たって私たち素人がこの研究から学んでおくべきことは、頻繁に電子レンジの中はお掃除したほうがいいということだ。

・電子レンジの中から多数の細菌株を発見
 スペイン、バレンシア大学の微生物研究者たちは、電子レンジに驚くほど多様な細菌が生息していることを発見した。

 研究チームが行ったのは、電子レンジの中を綿棒で拭き取り、そこに付着したものを培養するといった実験だ。

 調査された電子レンジは、家庭にあるもののほか、オフィスのような共有スペースに設置されたもの、さらには標本や化学薬品を加熱するために使われる実験室のものといった計30台だった。

 採取されたサンプルはペトリ皿で培養し、DNAを解析するなどして、種や多様性が調べられた。その結果、電子レンジの中から全部合わせて101種の細菌株が発見されたのだ。

 特に多かったのは、バチラス属、マイクロコッカス属、ブドウ球菌属の細菌だ。これらは人の皮膚に普通に存在する常在菌で、それゆえに人がよく触る場所にたくさんいる。

 これらの皮膚常在菌は、どの電子レンジにもいたが、特に多かったのは家庭のものと共有スペースのものだった。

 また家庭用の電子レンジからは、人間の糞便に含まれているクレブシエラ属などの感染症を引き起こす細菌も見つかっている。

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 一方、実験室の電子レンジでは、遺伝的にもっとも多様な細菌たちが確認された。

 そこにはキッチンで見られる細菌もいたが、放射線・高温・極度の乾燥といった過酷な状況に耐えられる極限環境微生物までもがいた。

 この研究は、電子レンジの放射が大腸菌やサルモネラ菌などの食中毒を引き起こす細菌を加熱して完全に死滅させるという一般的な誤解に異議を唱える既存の研究に新たな知見を加えるものである。

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photo by iStock・マメに電子レンジをお掃除することが大切
 研究チームのマヌエル・ポルカー氏は、「特殊な場所に行かなくても、微生物の多様性を見つけることはできます」と語る。

 こうした電子レンジの極限環境微生物は、繰り返し電磁波をあびせられて、生き残った菌が進化的に選ばれてきた可能性があるとのこと。

 だがうまく利用すれば、有害廃棄物を浄化するなんて応用も可能かもしれないそうだ。

 研究チームは次のステップとして、電子レンジの使用がこれらの細菌にどのような影響を与えるかを調査する予定であるとのこと。

 だが私たちがこの研究から学ぶべきことはもっとシンプルだ。

 「電子レンジは純粋で菌のいない場所ではありません」とポルカー氏は話す。

 電子レンジが病原菌の宝庫であるなどと過度に怯える必要はないが、それでも普段から頻繁に、定期的に次亜塩素酸水や消毒スプレーなどを吹きかけてお掃除するのがオススメであるそうだ。

References:Your Microwave Is Teeming With Bacteria, Study Suggests | Smithsonian / Frontiers | The microwave bacteriome: biodiversity of domestic and laboratory microwave ovens / written by hiroching / edited by / parumo



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