托卵を知った夫の暴挙と、私刑の手が止まらないサークルクラッシャー【わたしの宝物#第6話】

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托卵を知った夫の暴挙と、私刑の手が止まらないサークルクラッシャー【わたしの宝物#第6話】
托卵を知った夫の暴挙と、私刑の手が止まらないサークルクラッシャー【わたしの宝物#第6話】

※このコラムは『わたしの宝物』6話までのネタバレを含んでいます。

■引き続き私刑の手を止めないサークルクラッシャー真琴

妻である美羽(松本若菜)との子ども・栞が自分と血がつながっていないことを知り、絶望した宏樹(田中圭)は、栞を連れて失踪します。行き先も告げず、会社もバックれ、音信不通になった宏樹。

それを知った真琴(恒松祐里)は動揺します。宏樹に真実を伝えるというトリガーを、自分が引いてしまった罪悪感を若干でも感じたからでしょう。しかしこいつは立派なサークルクラッシャー。それで反省したり、自責をしたりするようなタマではありません。引き続き美羽への追求を進めていきます。

「宏樹さんいなくなったの心当たりありますよね? 栞ちゃんて誰の子ですか? 私見たんですよ。美羽さんと冬月(深澤辰哉)が一緒にいるところ。二人が不倫してて、栞ちゃんは誰の子か分からないって宏樹さんに言いました! どうしてそんなことしたんですか?」

いやいや、宏樹に勝手に憶測を伝えた真琴にそっくりお言葉を返したい。 「どうしてそんなことしたんですか?」

■世の中、知らなくていいことは隠されながらバランスを保ってる

二人が抱き合ってたのを見ただけで、栞が冬月の子どもだと決めつける、とんでもねぇ真琴の論理の飛躍。もしかして、抱き合うだけで子どもができると思っている小学生なのか? 本当に頭がおかしすぎます。

「二人に何かあったらあなた(美羽)のせいです!」と、宏樹が失踪したのは自分の責任ではなく、美羽が間違ったことをしたから全てお前が悪いんだ! と言わんばかりの責め立て方。

人間知らなくてもいいことってたくさんあります。知らない方が幸せだったり、事実だからといって全部知る必要はなく、それによってバランスを保っていることってたくさんあると思うのです。

美羽と宏樹の関係だってそう。美羽のやったことは、責められて然るべきだし、人としてあり得ないことではあります。しかし、それの罪や苦しみをまるっと自分が抱え込む覚悟で、幸せにやってきたのに、背景も何もしらないも真琴が、確固たる証拠もない妄言で、一方的にぶち壊す権利がどこにあったのでしょうか。

でもこういうマインドの人って、その後、宏樹や美羽がどんなに不幸になろうとも、自分が悪かったとは思わず、「発端を作った美羽が悪い」と全部人に擦ってのうのうと生きていくんですよね。とにかく関わっちゃいけない人種。美羽は、OL時代真琴に仕事を押し付けられて、その恩義も曖昧になっていた時点で距離を置くべきでした。

■我らが代弁者現る

そんな我々の気持ちを全部代弁してくれたのが、カフェオーナー浅岡(北村一輝)。

人の心を不思議と見抜く力がある彼は、真琴に対しても「あんた何したいの? あんたが動けば動くだけみんなが不幸になってるんじゃないの? 正義振りかざすのもほどほどにしないと。あいつらの正解をあんたが決めんなよ」と視聴者の気持ちをまるっとぶつけてくれて、少し胸がすく思いです。

しかし、このど正論でぶん殴られても目が覚めず、まだまだ止まらないのが真琴。その行動力を違う方面に使っていただきたい。

■妄想と真実のズレを理解し始めた真琴

冬月と街で偶然出会った真琴。美羽の行方を尋ねる冬月に対し、ここでも「我正義なり!」とばかりに、冬月を高圧的に責め立てます。

「私全部知ってますよ。美羽さんと付き合ってるんでしょ?」

しかし、ここで美羽が自分の勝手な想像で全てを決めつけていることによるズレが生まれ始めます。

冬月と美羽の関係は、付き合ってもいなければ、もう会ってもいない、ほんの一回の衝突事故のようなもの。

真琴の間違った見解に対する冬月のリアクションにより、真琴は冬月が本当に栞の真実を何も知らないことに気がついたのでした。

というか真琴に攻め込まれた人々、誰も嘘つかない。そのまま素直に真実を話すのなんで。君らももうちょっと嘘ついていいのに。

そこでの真琴の捨て台詞がまたも「本当に何も知らないんですか? あなたのせいで……」

背景も事情も知らずに「冬月のせい」とまたも断言できる視野の狭さに恐怖を感じつつ、確実に「真琴のせい」も含まれているのに、カフェでの浅岡の言葉は1ミリも響いていない模様。恐怖。

■真琴、ここまでやるか?

その行動力を世界平和に使ってくれたら、この世の戦争は全て消えるのでは? というくらい、尋常じゃない負の行動力を見せつけ続ける真琴。

善意なのか、嫉妬や怒りからなのか、もはや原動力が分からないそのパワーで、今度は美羽と冬月を引き合わせ、「ちゃんと話さなきゃいけないのは冬月さんですよね? 冬月さんも聞きたいことあるみたいなんで」と美羽に真相を告白させようとします。

「真実こそ正義であり、全てを知ることが正しい」という信念と、「知らなくても世界がうまく回っていれば正義」というのはもう、宗教の宗派の違いみたいなものですね。

だからこそ、真琴は人の覚悟に軽率に茶々を入れられるのです。

二人きりになった美羽と冬月。「何かできることがあれば」と冬月は歩み寄るものの「あなたにできることは何もない。もうここには来ないでください」と、はっきりとした意思で冬月を拒絶し、別れを告げます。

そして、身勝手にこの場を設けた真琴に対して美羽は、「私一人の罪だから、一生一人で背負ってく。悪いのは私!」と、強い眼差しで彼女を見据え、覚悟を示します。これで、やっと真琴も美羽の抱えているものへの責任感を理解してくれたらいいのですが。

■真実を知った宏樹の決断

しかし、すでに真琴によって歯車が狂い出してしまっている神崎家。宏樹がDNA検査を行い、全てを知ってしまったことに美羽も気がつきました。

行方をくらましていた宏樹は家に戻り、栞の父親について真相を美羽に問いかけます。

それに対して美羽は「本当身勝手なこと言う。栞は宏樹の子だと思ってる」「いつからか宏樹のことが怖くなって辛くて裏切った。(産むことは悩んだけれど)お金だけ出すという宏樹の提案に乗った」と、今まで抱えていた本心を全て吐露します。

でも宏樹にしてみれば「なんで俺の子って嘘ついたの? そいつと育てればよかったじゃん」と、ごもっともすぎる困惑と身勝手さへの嫌悪感しかありません。

父親が誰かということにも口をつぐむ美羽に対して、「出てってくれ」と美羽一人を追い出す決断をしました。

■このままではふっかの見せ場ない疑惑

宏樹にとって栞は「他人の子」として美羽と共に追い出すのではなく、「血のつながりはなくとも自分の子」になっているのが宏樹の辛さをより感じさせます。美羽のみ出ていくことを要求しているのですから、栞への愛は我々が想像している以上なのでしょう。

自分の子じゃないと分かったあと、カフェで出会った夫婦に言われた「パパとお出かけですか?」「(うちの子も)どんどん自分に似てきて」という言葉一つひとつも、なぜこんなにも愛する栞が自分の子じゃないのか、と苦しみを増長させたことでしょう。

この後、美羽は一人で生きていくのか。はたまた宏樹との復縁はあるのか……。ここで冬月に行くのは美羽が都合のいい悪女になりすぎてしまいます。

宏樹と復縁ルートが妥当な気がしますが、そうなるとせっかくのふっかの見せ場が1話以外なさすぎて悲しい思いです。ふっかの活躍に期待! 果たして。

(やまとなでし子)

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