今年最も売れた漢方薬は? クラシエ薬品「KAMPO OF THE YEAR 2024」で漢方薬のトレンドとセルフケアの重要性を学んだ話 (2/4ページ)
砂橋さんによると、咳・のどに関する処方が伸びた要因の一つに、8年ぶりにみられたマイコプラズマ肺炎の大流行や、2024年度上半期のインフルエンザの流行などが考えられるとのこと。これらの感染症では、のどの痛みや咳の症状を伴うことが多く、漢方薬だけでなく西洋薬も含めて需要が増えたことが予想されるそうです。
■気象病や二日酔いへの対処として「五苓散」の需要が増加
2024年の注目すべきトレンドの一つとして、砂橋さんは「五苓散(ごれいさん)」をあげました。「五苓散」とは、全身の水分バランスの乱れを整え、余分な水分を排出することで頭痛やむくみを改善する漢方薬です。五苓散の販売数は直近5年間で69%UPと急速に成長しているのだそう。
この要因の一つには、新型コロナウイルスが5類に移行されたことで、それまで受診を控えていた人々が来院して頭痛や急性胃腸炎の患者数が増加し、それに伴って五苓散の処方増加がみられたという医療用の処方の増加があります。
また、一般用の販売では、気象病や天気頭痛など、近年になって顕在化されてきた症状とともに、頭痛やめまいへの対処として五苓散の使用が広がったことが販売数の伸びに関係しているそうです。さらに、外食需要の増加に伴う二日酔いや、昨今関心の高まるむくみ対策まで、五苓散が幅広く使用されていることも要因のようです。
実際にSNS上では、2023年から2024年にかけて五苓散に関連する投稿数は、昨年対比で269%と大幅に増加しています。また五苓散と合わせて投稿されるキーワードを比較してみると、2023年は“気象病”対策のワードが多かったのに対し、今年は“二日酔い”対策へと変化している傾向もみられました。
さらに、性別・年代別の漢方薬の購入商品のランキングを比較したところ、男女ともに20~40代で五苓散が上位に入っていました。SNS上での五苓散の拡散と効能に対する認知の拡大が、20~40代の購買に少なくない影響を及ぼした可能性が考えられます。