大河ドラマ「光る君へ」推しキャラ5選、名場面5選など…1年間を振り返りレビュー

Japaaan

大河ドラマ「光る君へ」推しキャラ5選、名場面5選など…1年間を振り返りレビュー

令和6年(2024年)NHK大河ドラマ「光る君へ」、皆さんも完走できましたか?

途中離脱&途中参加された方も、ちょっとだけ観てみたという方も、1人でも平安時代ファンが増えるキッカケになったら嬉しいです。

今回は1年間の放送を振り返って行きましょう!

目次 1年間まひろを追いかけた感想 1年間道長を追いかけた感想 自分なら「光る君へ」をこう描く! 「光る君へ」推しキャラ5選 「光る君へ」個人的名場面5選 2025年大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」に期待! 1年間まひろを追いかけた感想

土佐光起筆「紫式部図」

最初は元気いっぱい?な少女まひろ。これがどうやったら紫式部になっていくのか……初登場のシーンではそう思いました。

いやいや、これから色々と酸いも甘いも噛み分けて、じっとり陰キャな「俺たちの式部」になっていくのさ……そう思っていたら最終回。

あれ?あんまり変わらないな?でももう最晩年……正直ちょっと消化不良気味でした。

彼女が、紫式部?本当に?何なら紫式部と同年代を生きた完全オリジナルキャラ「まひろ」の方がよかったような気もします。

主人公補正であちこち飛び回って歴史的事件を目撃したり、偉業のキッカケを作ったり、ご都合主義が過ぎて少し残念でした。

最大の残念は、やはり藤原賢子(南沙良)が不義の子にされてしまった点でしょうか。

少なくとも彼女が藤原道長(柄本佑)との子であるという史料はありません。

夫である藤原宣孝(佐々木蔵之介)との間に生まれた子である前提は、覆さないで欲しかったです。

またまひろが『源氏の物語』を書いた動機にしても、道長ラブより夫を喪った悲しみと向き合うためであって欲しかったと思います。

1年間道長を追いかけた感想

『紫式部日記絵巻』より、藤原道長

最初は「ぼんやりしているけど、これが巨傑に大化けしていくのだろうな」と期待していました。

しかし回が進むごとに「もしかしてコヤツ、ただひたすらまひろが好きなだけのボンクラなのではないか?」疑惑が浮上。

そのモヤモヤが膨れ上がっていく中、藤原実資(秋山竜次)から諫言されて疑惑が確信へと変わってしまいます。

「左大臣殿には、民の幸せどころか民の顔すら見えてはいまい」

……でしょうね。かつて直秀(毎熊克哉)らを亡くして、泣いていたまひろの思想を借りて「民の幸せ」と言ってみたところで、幸せの概念すら分かっていなかったのではないでしょうか。

身分のない人など人とも思われず、地べたを這いずる虫けらも同然に死に殺されていった時代。

腹いっぱい食えて、暑さ寒さをしのげて、野犬や盗賊に襲われる心配もない。

そんな現代では当たり前に思えることを夢に見ながら、何もかも収奪されて、ゴミクズのように淘汰される。

そんな庶民の苦しみや悲しみを、あの道長は理解できない。疫病の場面だって、ひたすらまひろの心配だけ。

後の善政?そんなものは、すべてまひろ向けのパフォーマンスに過ぎません。

「この世のすべてを手に入れよう。お前の心をつかむために」

ひたすらそれだけ。しかしただ一人欲しかった肝心のまひろに捨てられてしまい、失意のうちに最期を迎える哀れな姿は、確かに「光る君」と通じるものを感じました。

自分なら「光る君へ」をこう描く!

皆さんなら、どんな平安物語を描きますか?(イメージ)

紫式部が藤原道長の妾……そんな『尊卑分脈』の一文から膨らんだ本作のストーリー。

二人が幼なじみでソウルメイトで……観てみたら要するに単なる不倫相手じゃないかロクでもねぇ……と思ったのは、きっと筆者だけではないはずです。

もしこの設定で筆者が物語を描くなら、こんな感じにするでしょうか。

紫式部(非まひろ)と藤原道長は、紫式部が夫の死後に女房となるまで、基本的に親しくはない(何度か接点があったにせよ、道長は紫式部を歯牙にもかけない)。

道長は鷹揚だけど得体の知れない怪物で、幼少期から「面をば踏まむ」を地で行く豪傑少年。

やがて幸運にも藤原長者となった道長は、権力を握るためなら手段を選ばず、その手段として紫式部を召し抱える。

最初は道具に過ぎないと見下していた紫式部の今までの女性たちにはない人柄と接し、次第に惹かれていくのであった。

そこへ絡んでくる道長の正室(源倫子)と側室(源明子)、そしてその子供たちが繰り広げる政治抗争。

……などなど。不倫は論外(当時も婚外性交渉は褒められたものではありませんでした)、恋愛もそこそこにして、和歌の巧みさや四季折々の情緒などを感じられる展開にしたいです。

まひろ(創作人物)を主役または準主役として登場させるなら、庶民または下級官人の娘として、紫式部に仕える設定がいいでしょう。

しっとり(非じっとり)と知的に凛とした紫式部を尊敬しながら、道長が紫式部との関係を通じて怪物から人間味を取り戻していく様子を見届ける役回りとして描きたいです。

果たして紫式部と道長はどうなるのか……妾になったと噂が立つような出来事は何度か起こるものの、二人は付かず離れず、最期まで指一本ふれあうことはありませんでした。

……まだまだ描きたいところですが、いち平安ファンの妄想はこの辺にしておきます。

「光る君へ」推しキャラ5選

栗原信充筆「左衛門権佐藤原朝臣宣孝」

1位:乙丸(矢部太郎) 2位:藤原宣孝(佐々木蔵之介) 3位:藤原惟規(高杉真宙) 4位:清少納言(ファーストサマーウイカ) 5位:源明子(瀧内公美)

並み居る実在人物を押しのけて、堂々たる筆者的正一位もとい第1位に輝いたのは、第1回「約束の月」から最終回「物語の先へ」までまひろに尽くした乙丸です。

彼はちやは(国仲涼子)・まひろ・賢子の三代にわたって仕え、ヒョロガリで頼りないけど誰よりも勇敢な従者でした。

視聴者の皆さんにも、乙丸を愛してやまない方は多いのではないでしょうか。

元から豪胆な人物が勇敢に振る舞うのは当然ですが、弱くても大切なもののために行動を起こせるのが真の勇気というもの。

乙丸は本作における第一の勇士だったと言えるでしょう。

妻きぬ(蔵下穂波)への不器用な愛情、そして最後に思い切った渾身のワガママと言い、むしろ彼を「まひろ(完全創作人物の主人公。非紫式部)」ポジションとして物語を描いても面白いと思います。

このペースで語ると長くなってしまうので、第2位以下はサラッと行きましょう。

ご都合主義で途中ちょっとキャラがブレた気がしたものの、基本的に磊落で大らかだった藤原宣孝。紫式部とのおしどり夫婦ぶりを、もっと見せて欲しかったです。

優秀な姉と比べられてもマイペース、いつも飄々と人生を楽しんでいた藤原惟規。本作を通じてファンが大きく増えた人物ではないでしょうか。

はじめ清少納言にファーストサマーウイカ氏が選ばれた時「あぁ、サバサバしたベタな人物に描かれるのかな」と放送前から胸焼けする思いでしたが、よい意味で期待を裏切られた一人です。

これからも「ききょう」のキャラで芸能活動をして欲しいと思いました。

正室倫子と格差をつけられ(結局どっちも道長から愛されていないとは同じですが)、いかにも幸薄げな源明子。

いつも泣いているのか笑っているのか分からない、顔に苦労が染みついた立ち居振舞いが好きでした。

イメージキャラは『源氏物語』ヒロインの一人・六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ/みやすどころ)ですが、本作でも道長に生霊を飛ばして欲しかったですね。

「光る君へ」個人的名場面5選

上村松園筆「清少納言」

1位:「いつも、いつも」/第28回放送「一帝二后」 2位:乙丸、姫様をかばって殴られる/第7回放送「おかしきことこそ」 3位:乙丸、姫様を思い渾身のワガママ/第47回放送「哀しくとも」 4位:惟規、まひろを諌める/第37回放送「波紋」 5位:源明子&源俊賢兄妹の「べえ」/第48回放送「物語の先へ」

本作における個人的名場面、第1位には「いつも、いつも」を挙げたいと思います。

藤原定子(高畑充希)と清少納言(ききょう)の息が合ったあの瞬間。定子の清少納言に対する信頼と、清少納言の定子に対する敬愛の感情が伝わりました。

ソウルメイトと言うなら、絶対にこっちだろと今でも思います。清少納言を主役にした大河ドラマ、生きている内に観たいですね!

2位3位はイチ推しの乙丸をぶち込んでいますが、これは乙丸の魅力をこれでもかと詰め込んだ名場面と言えるでしょう。

どちらも「まひろのため」に我が身を捨てる思いでやっている点に、乙丸の断固たる意志が伝わります。

これを見て心打たれない方はいないのではないでしょうか。

第4位は、久しぶりに里帰りしたまひろが調子に乗って、空気も読まずに自慢話をベラベラと……そんな姉に、絶妙な表情と声の調子でやさしく諭す惟規。これは頭の良さと(双方に対する)信頼関係がないとできない芸当です。

この惟規、絶対にデキが悪くありませんよね?姉に対する弟の呼吸と距離感を見せてくれました。

そして最後は源俊賢&明子兄妹の「べえ」合戦。舌なんか出させるなよ品がない、と思わなくもありませんが、筆者は嫌いじゃありません。

皆さんにとっての名場面は、どこでしたか?

総集編でも見られることを願っています。

令和7年(2025年)大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」に期待!

もっとまだまだ平安絵巻を見ていたかったのですが、時の経つのは早いもので、あっという間に終わってしまった「光る君へ」。

次回作は「べらぼう~蔦重栄華之夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」。蔦重こと蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)の生涯を、横浜流星がパワフルに演じてくれることでしょう。

蔦屋重三郎。山東京伝『箱入娘面屋人魚』より

「蔦重?誰それ?知らないから観ない」

なんて言ってちゃ勿体ない。知らないからこそ、新たな発見も多いものです。

※歴史ファンって、往々にして「知ってるマウント合戦」を繰り広げがちですが、それじゃ世界は広がりません。

むしろ「こんな人が活躍したんだ、凄いな、かっこいいな!」と感動した方が、人生は何倍にも楽しめるでしょう。

さぁさぁ皆さん寄っといで、来年1月5日から、蔦重がイキイキとお江戸の街を駆け抜けるよ!

きっと面白いと思うので、来年も一緒に味わいましょう!

最後に一年間のお付き合い、誠にありがとうございました!どうか来年も、ご贔屓いただけますよう、よろしくお願い申し上げます!

【完】

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「大河ドラマ「光る君へ」推しキャラ5選、名場面5選など…1年間を振り返りレビュー」のページです。デイリーニュースオンラインは、直秀乙丸ちやは藤原賢子六条御息所カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る