大河「べらぼう」繁盛しても地獄の吉原。五代目・瀬川花魁(小芝風花)の運命を左右した3冊の本【前編】 (3/5ページ)
「めちゃくちゃしやがって」という瀬川の言葉、部屋中にたくさんちらばった行為後の塵紙が、いかにNo.1の花魁とはいえど、こんな客を相手に体を売らなければならないという吉原の過酷な現実を突き付けてきます。
蔦重は、吉原が再繁盛したのは瀬川のおかげなのに、強蔵を相手にさせた妓楼の主人に怒るのですが相手にされません。けれども、瀬川が強蔵を断れば、ほかの松の井(久保田紗友)やうつせみ(小野花梨)が相手をしなければならないのです。
「じゃあ、あたしならいいのかい?うつせみならいいのかい?」と怒った松の井に詰め寄られて、何も言い返せない蔦重。激怒する松の井を止めるうつせみの首には、あきらかに絞められたみえる赤い跡がありました。ろくでもない、遊女を苦しめて快感を得るような下衆な客の相手をさせられたと推測できます。
吉原への客が減れば妓楼は儲けを出せず遊女も困窮する。けれども、客が増えればタチの悪い客が増え、遊女の身も危険にさらされる。寂れれば苦界、けれども繁盛すれば地獄の吉原です。瀬川を救う道は、せめて金持ちに「身請け」され、この地獄から抜け出すことしかないと蔦重は思ったのでしょう。