大河「べらぼう」二大人気キャラ!輝き増した癒しの「次郎兵衞兄さん」とずっと探され続けた「宝暦の色男」の魅力【前編】
「ひんむきゃ、みんな、人なんて同じなのにさ。これは違う、あっちは別って、垣根作って回ってさ。ご苦労な話だよ」。……
前回の大河「べらぼう」第11回「富本、仁義の馬面」で、吉原の妓楼・大黒屋の女将りつ(安達佑美)が放ったセリフが注目を集めました。蔦屋重三郎(横浜流星)に、「役者への差別がある」ことを説明した後に付け加えた言葉です「人間なんて一皮剥けば皆同じ」の言葉に「その通り!」と思った人も多かったでしょう。
ドラマでは毎回、このような吉原の暗い闇・出版ビジネスの厳しさ・心血注いで作った本でも売れない現実・差別など、さまざまな厳しい現実面が描かれています。
そんな中、登場すると「癒される」「ほっとする」と相変わらず人気上昇中なのが、次郎兵衞兄さん(中村蒼)です。以前、「大河ドラマ『べらぼう』つたや三兄弟の癒しキャラ!? じわじわ人気度アップ「次郎兵衞兄さん」の魅力」という記事でご紹介しました。
大河ドラマ『べらぼう』つたや三兄弟の癒しキャラ!? じわじわ人気度アップ「次郎兵衛にいさん」の魅力【前編】その後も、ドラマの回数を重ねるごとに「かわいい」「癒し」だけではない魅力を見せ、SNSでもファンが増えている様子。
次郎兵衛兄さんと富本豊志太夫(NHK大河ドラマ「べらぼう」公式HPより)
そんな次郎兵衞兄さんが不動の癒しキャラとして輝きを増すのと同様に、最初の頃は毎回ドラマのクレジットに名前が出るのに「どこにいるのかわからない」「一体誰?」と話題になる尾美としのりさんも謎キャラとして注目の的でした。(今回でその正体が…)
尾美としのりさんは自称「宝暦の色男」・朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)という人物で、次郎兵衞兄さん同様、蔦重を支える協力者になっていくと言われている人物なのです。
【大河べらぼう】蔦重とのコラボにネット歓喜!朋誠堂喜三二こと平沢常富(尾美としのり)とは何者なのか?脇役ながら、SNSで「#俺たちの次郎兵衛」「#尾美としのりをさがせ!」というハッシュタグが生まれるほど人気の高い、この2人の魅力を探ってみました。
ただの「のんびりだけじゃない!」と株を上げている兄さん#俺たちの次郎兵衛こと次郎兵衛兄さんは、蔦屋重三郎の義理の兄です。吉原を代表する引手茶屋・駿河屋(高橋克実)の実の息子になります。
ドラマの中では、駿河屋は幼い蔦重を養子として迎えたので二人は義理の兄弟。次郎兵衛兄さんは、吉原に向かう手前の五十間道で小さな茶屋を営んでいるのですが、熱心に働く姿は見かけません。
新吉原大門口中之町浮絵根元(奥村政信)
吉原の入り口大門と茶屋。
店先でのんびりたばこをふかしていたり昼寝をしていたり、マイペース。自分の店だというのに蔦重に店番を言いつけられ、てんてこ舞いになり帰ってきた蔦重に「俺もう帰っていい? “働き過ぎて”おかしくなっちまいそう」とポッピン(ビードロ)を鳴らしながら帰っていく姿は、笑いを誘いました。
けれども、ただののんびりキャラなだけではありませんでした。飄々としているようにみながらも、物事や人間の本質を突いたり、何気ないひとことで蔦重の悩みを解決に導いたりなどのシーンが増え、「意外と賢く鋭い人なのだ」と株を上げています。
以前、蔦重が大きな決心をした時には、なぜか蔦重に近寄り、髷の部分をそ〜っと撫でるという仕草をして「なんすか急に!」「いやいや、やめてくだせえ、気味悪い!」蔦重に言われてしまいました。(と言いつつ、兄弟二人でワチャワチャして笑っている姿も「可愛い!」と評判になっていました)
蔦重という弟への愛が溢れてしまったのでしょう。全力で「兄」をしている次郎兵衛兄さんが「可愛すぎる」と絶賛されていました。ちょっと変わり者で飄々としていて遊んでばかりいるように見えるけれども、実の父親がその将来を嘱望している才気煥発な義理の弟に対して嫉妬や僻んだりせず意地悪もせず、ただただ見守っている兄さんの人柄の良さは、誰でもが惹かれることでしょう。確かに登場すると、ふわっと空気が和む感じが伝わってきます。
流行り物が大好きな兄さんが過去一輝いた「俄(にわか)祭り
次郎兵衛兄さんは、流行り物好き、お稽古事好きな人独特の「品の良さ」を感じます。いつも、洒落た着物を着こなしているのも特徴です。
前回の第11回「富本、仁義の馬面」では、当時のトップスター「馬面太夫」こと富本豊志太夫/午之助(寛一郎)が中心となり「富本節」を巡る物語が描かれました。
遊女たちの前で、太夫と歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカ)が富本節を即興で演じ、皆が涙を流すという心に刺さるシーンが印象的でした。
そして、次郎兵衛兄さんの「俺もしょっちゅう(富本節)やってんじゃない!」というセリフに「あれ、そうだったんだ」と思ったのは間違いなく蔦重だけではなく全視聴者が思ったはずです。
最近、ドラマの中でBGMのように次郎兵衛兄さんが店先で三味線を弾いていたのは、「この前フリだったのか」との声が上がるほど、誰も兄さんが唄っているのが馬面太夫の「富本節」だとは気が付かなかったようです。
以前、店の中で三味線を弾きつつ気持ちよさそうに調子ハズレの唄を披露している様子を見ている人に、「付き合わなくていいっすよ!」などと、蔦重が雑な扱いをしていたのも思い出されました。
ドラマでは、三味線を弾き富本節を唄う次郎兵衛兄さんの回想シーンが始まるのですが、第一声でブツっと秒で切られてしまう編集に大笑いした人は多かったようです。
そんな不動の癒しキャラとして脇を固めていた次郎兵衛兄さんですが、第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」では、吉原で行われる「俄(にわか)祭り」にて口上を述べるという大役を務めます。
「ついに自分が目立つときが来た!」とばかりに、浮かれて見える次郎兵衛兄さん。薄紫の縞の着物に白いに蔦の紋が入った肩衣が、いつもの若旦那姿よりもキリッとしてかっこよく、キラキラと輝いていて一番祭りを楽しんでいるのが微笑ましかったですね。
誰よりも輝いている、口上を述べる次郎兵衛兄さん(NHK大河「べらぼう」公式HPより)
いつもはのんびりゆったりした動きをする次郎兵衛兄さんが、祭りとなるとたくさんの荷物を背負って店を出ていっただけあり、口上だけではなく、花笠を被って雀踊りを踊ったりとすべての演目に登場したようで、今までのドラマの回の中で一番動いていました。
大文字屋と若木屋のダンスバトルになり争いごとは好まない兄さんが、疲れもあったのか「もう、やだ…」と言いつつ帰ってしまったようですが、誰よりも楽しそうに「俄祭り」を楽しんでいる姿が印象的でした。
「兄さんが楽しんでいる!」「輝いている!」「兄さん大活躍だ!」と、SNSでも大絶賛されてた次郎兵衛兄さん。仕事はからきしだけれども、仕事以外のことで才能を発揮している兄さんはファンが想像していた通り、今回も株を上げていました。
いつも全力で走り抜け、壁にぶつかっては立ち上がり次の壁にまたぶつかるという忙しい蔦重をこれからどのように支えていくのか、どんなビジネスヒントを与えていくのか、そしていずれは引手茶屋を任されていくのか、次郎兵衛兄さんから目が離せません。
【後編】では、次郎兵衛兄さん同様に、初回から注目されていた「宝暦の色男」と呼ばれる朋誠堂喜三二(尾美としのり)について探ってみたいと思います。
トップ画像:NHK大河「べらぼう」公式HPより
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