なぜ日本人は頭を下げる?「お辞儀」に込められた日本文化の価値観や精神性とは…… (3/3ページ)
また、礼を重んじる文化は日本だけでなく、東アジアの諸国にも見られますが、これほどまでに多様な意味をこめ、使い分けを体系化している例は珍しいといわれています。
それは、日本人が礼儀を“心の表現”としてとらえてきたからにほかなりません。
お辞儀には、「言葉にせずとも、心は伝えられる」という日本的なコミュニケーションの特徴が詰まっています。静かで控えめだけれど、相手を思う気持ちがにじむその所作は、現代社会においても多くの人の心に響きます。
頭を下げるという行為に、日本人はどれだけの思いを込めてきたのか。それを知ることは、日本人の美意識や社会観、人との向き合い方をあらためて見つめ直すことにもつながります。形式だけにとらわれず、心を添えたお辞儀を大切にしていきたいものです。
参考文献
小笠原 敬承斎 『小笠原流礼法入門 日本人のこころとかたち 』(2017 淡文社) 鈴木 健二『日本人の作法―心優しい人間関係・思いやり家族の条件』(1995 廣済堂出版)日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
