なんと”カビの生え具合”で吉凶を占う!?日本古来よりつづく神事「お粥占い」とは?

日本の歴史において、「占い」は長いあいだ物事を決めるときの重要な要素となっていました。現代では、国のありかたなどを占いで決めることはないと思いますが、それでも占いが好きな方は多いですよね。
そこで、今回の記事では占いに注目し、日本のいろいろな神社で長く続いている「お粥占い」について詳しくご紹介していきたいと思います。

「お粥占い」は日本のさまざまな神社で行われているのですが、そのうちのひとつが佐賀県にある海童(かいどう)神社です。この神社は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した「龍造寺隆信(りゅうぞうじたかのぶ)」という武将によって1553年に建立されました。
お粥占いは、建立以来450年以上つづく神事です。お粥に生えた「カビ」の具合を見て吉凶を占います。お粥は、1月1日にお供えした米を2月15日に炊き、本堂に奉納。3月15日早朝に「お粥開き」を行い、カビの様子を見て占います。
カビの色と占いの結果は以下の通りです。
・ねずみ色:大吉で「五穀豊穣」「産業繁栄」
・白色:吉で「平年並み」「風が強い」
・緑色:吉だけれど「雨が多い」
・黄色:凶で「あまり良い年ではない」
・黒色:大凶で「事故・災難あり」
・赤色:大凶で「火災・流行病あり」
また、お粥の表面がひび割れていたら「地震」、乾燥していたら「干ばつ」、湿り気が強いときには「大雨」という占い結果になります。
長野県・田篭諏訪神社の「粥占い」長野県にある田篭諏訪神社でも「粥占い」が行われています。1月15日にお粥をたき、3月20日に占います。海童神社の占いのように、カビの色や生え方で占いを行います。
ちなみに、この神社では、1782年から「粥占い」の記録が続けられており、そこにはお粥の面の絵を描き、占いを簡単に書き、年末にその年がどうだったのかを記入するようになっています。
佐賀県・千栗八幡宮の「お粥試し」佐賀県にある千栗八幡宮では、なんと1300年以上(724年の創建以来)も「お粥試し」が続いています。お粥は2月25日に炊き、3月15日に占いの結果が宮司によって説明されます。
お粥の表面にできた5つのカビの色や大きさで占います。たとえば、全面に小さな赤カビが生えている場合は、良い兆候を表しているといいます。
今年1年について、10段階中で占います。ちなみに、2025年の占い結果は10段階中8で、「おおむね平穏」となりました。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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