生理前に肌荒れするのはなぜ? 生理周期に合ったスキンケア法とは

マイナビウーマン

生理前に肌荒れするのはなぜ? 生理周期に合ったスキンケア法とは
生理前に肌荒れするのはなぜ? 生理周期に合ったスキンケア法とは

「エリエール」ブランドの生理用品「エリス」を展開する大王製紙は、クラブエリエール会員の女性を対象に、生理前後の肌荒れに関するアンケートを実施しました。

また、生理前に肌荒れしやすい理由を踏まえ、不快な肌トラブルを出にくくするスキンケア方法について紹介しています。

■生理前・後で、肌のコンディションが違うと感じる?

生理の前後は、体調や気分に変化を感じる人も多いと思います。おなかの張りや腹痛、イライラ、眠気など、人によって症状はさまざまですが、肌荒れに悩まされる人もいるかもしれません。

今回は、クラブエリエール会員の女性を対象に、生理前後の肌荒れに関するアンケートを実施しました。どれくらいの人が、肌の変化を感じているのか見ていきましょう。

まず、生理の前後で肌のコンディションが変わると感じている人は、58.7%という結果になりました。多くの人が生理の前後に肌の変化を感じる中で、一番肌荒れが起きやすいのはどの時期なのでしょうか。

■生理前・後で、肌荒れが起こりやすいと感じるのはいつ?

肌荒れが起こりやすいと感じる時期で、最も多かった回答が「生理前(排卵~黄体期)」でした。

生理前の肌荒れには、女性ホルモンの変化が大きく関わっています。体の中で女性ホルモンが一体どのような働きをしているのか、またさまざまな肌トラブルにどう対処したらいいのか、詳しく見ていきましょう。

■生理前の肌荒れは、2つの女性ホルモンによるもの

生理前の肌荒れには、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が深く関わっています。

◇エストロゲン(卵胞ホルモン)

生理中から増加し始め、排卵前に分泌量がピークに達するエストロゲンは、子宮内膜を厚くして受精卵を迎える準備を整えるホルモンです。

女性らしい体をつくるホルモンでもあり、思春期の乳房や子宮、膣などの発育を担うほか、コラーゲンの生成を促して肌や髪のうるおいとツヤを保つ美容的な働きもあります。排卵するとエストロゲンは急激に減少し、妊娠が成立しなければじわじわと分泌量が下がり続けます。

◇プロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロンは、エストロゲンに反比例する形で、排卵が近づくと増え始めて排卵後に急激に増加します。主に妊娠の準備をするホルモンで、子宮内膜をやわらかくして良い状態を維持したり、乳腺の発育を促進したりします。

また、プロゲステロンには男性ホルモンのように皮脂を分泌させる働きがあるため、この時期は肌が脂っぽくなって肌トラブルにつながる可能性もあるでしょう。

妊娠が成立した場合は分泌が続いて子宮内膜を維持しますが、妊娠が成立しなければ減少に転じ、子宮内膜が血液とともにはがれ落ちます。これがいわゆる生理です。

■生理周期とホルモンバランスの変化

女性ホルモンは、妊娠・出産をサポートする役割を持ち、そのための準備である月経を作り出す大切なホルモンです。約1カ月の分泌量の変化とともに月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの時期を繰り返し、下図のようにひとつの生理周期を形作っています。

◇女性ホルモンの変化と生理周期

次に、生理周期ごとのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化を見ていきましょう。

・月経期

月経期は、子宮内膜が血液とともにはがれ落ち、体外に排出される期間です。エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は両方とも低下しています。

・卵胞期

卵胞期は、月経が終わってから排卵までの期間です。卵巣内の卵胞が発達し、エストロゲンの分泌量が増加するため、子宮内膜が増殖したり厚くなったりして妊娠に向けた準備が進みます。また、エストロゲンの効果で、肌はうるおいやツヤが増し、調子が良くなる場合があります。

・排卵期

排卵期は、成熟した卵子が卵胞から排出される期間で、月経が始まって約2週間後に訪れます。排出された卵子は卵管に取り込まれ、卵管にたどりつく精子を待って受精します。1カ月のうちで最も妊娠しやすい期間であり、エストロゲンは排卵の前までに子宮内膜を整えるべく、排卵直前に分泌量のピークを迎えます。

・黄体期

黄体期は、排卵を終えてから次の月経までの期間です。プロゲステロンの分泌量が増え、厚みを増してやわらかくなった子宮内膜が妊娠に適した状態になります。一方で皮脂の分泌が増し、肌は脂っぽくなってニキビや吹き出物ができやすい状態のため、肌トラブルには要注意の時期となります。

■生理前に起こりやすい肌トラブル

ここからは、生理周期に伴い、女性ホルモンの分泌量が変化することにより起こりやすい肌トラブルを紹介しています。

◇ニキビ

プロゲステロンによって皮脂の分泌が促進される生理前は、皮脂が増え、毛穴に詰まるとニキビができやすくなります。

通常、皮脂は肌内部の水分を内側にとどめて肌を潤し、外部の刺激から肌を守る働きをしています。そして、汗とともに排出されるのが正常な肌のターンオーバーです。しかし、皮脂の分泌量が多いと毛穴が詰まってターンオーバーが滞り、毛穴の中でニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖することでニキビができてしまいます。

また、食生活の乱れもニキビの原因のひとつです。脂肪分の多い食事を頻繁にとったり、三大栄養素の中でも特に脂質の代謝に有効なビタミンB2を糖質やアルコールの分解で消費したりすると、皮脂が肌に残ってニキビを誘発する要因となります。

◇肌のテカリ

鏡を見たときに、おでこや鼻などのテカリが気になる人もいるのではないでしょうか。 それはもしかすると、生理前の皮脂分泌が盛んな時期で、皮脂が肌の表面に出てきているからかもしれません。特に、Tゾーンと呼ばれるおでこと鼻は要注意です。この時期は、いつもの化粧がうまく肌にのらず、少し時間が経つと浮いたりよれたりして崩れてしまうことも多くあります。

◇敏感肌

生理前のホルモンバランスの変化によって、肌は敏感な状態です。そのため、些細な刺激にも反応し、赤みやかゆみ、かぶれなどの症状が出やすくなります。皮膚のバリア機能も一時的に落ちているので、肌に生じたトラブルが悪化しやすい時期でもあります。

◇乾燥肌

生理前になると、肌の保湿を助けているエストロゲンが減少するため、乾燥することがあります。バリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなり、かさつきやひび割れ、かゆみ、赤み、乾燥ニキビなどが出ることも多いでしょう。

■生理周期に合わせたスキンケアが大切

生理周期ごとのホルモンバランスの変化が肌にどのような影響を与えるのかを知っておくと、スキンケアをより効果的に行うことができます。

◇生理中のスキンケア

生理中の肌は敏感で、乾燥や肌荒れを起こしやすい状態です。あまり負担をかけないよう、できるだけ無添加で低刺激のものを選ぶと良いでしょう。攻めのスキンケアで肌の調子を一気に上げたくなるかもしれませんが、無理は禁物です。この時期は基本的なケアを丁寧に続けることに集中し、プラスアルファのケアはお休みするのが適しています。

経血として出ていく血液量が多いため、食事やサプリメントで鉄分補給を心掛けると、肌の血色を維持するためにも良いでしょう。

◇卵胞期のスキンケア

卵胞期は、1カ月の中で最も肌の調子が良い時期です。化粧ノリも良く、トラブルも気になりにくいので、気分よく過ごすことができます。肌のごわつきやざらつき、毛穴など、普段気になっている部分をケアするのに、角質ケアや毛穴ケア、ピーリングなど、少し刺激があるケアを試すのにも良い時期です。

◇黄体期のスキンケア

黄体期は、肌表面が少しずつ脂っぽくなり始める一方、肌の中は乾燥が進む難しい時期。ニキビができやすくなるので、肌を清潔に保つことが重要です。

ただし、脂っぽさが気になっても、ゴシゴシ洗いすぎるのはよくありません。洗いすぎて肌に必要な皮脂まで落とすと肌が乾燥し、乾燥を防ごうとする作用でより多くの皮脂が分泌される悪循環を招く可能性が高いからです。

洗顔フォームをたっぷり泡立てて肌に乗せ、肌をこすらないようにやさしく洗ったら、まずは化粧水でしっかり保湿をします。水分が行き渡ったら乳液などで油分を加え、クリームなどで蓋をして水分が飛ぶのを防ぎます。ニキビができている部分は、油分をティッシュオフしておきましょう。

■生理前の肌荒れ対策には適切なスキンケアを

生理前に悩む人が多い肌荒れの基本的な対策は、生理周期ごとの肌の状態を見極めた適切なケアです。肌荒れしやすい時期は無理をせず、角質ケアや毛穴ケアなど少し刺激のあるケアは、状態の良い生理後を待って行うようにしましょう。

◇監修者

佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)

日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人と共に2020年八丁堀さとうクリニックを開業。

■調査概要

調査対象:クラブエリエール会員の20代以上の女性 調査期間:2025年1月6日~1月15日 調査手法:インターネットを利用したアンケート調査 有効回答数:1,430件

エリエール公式HP お役立ち情報:https://www.elleair.jp/useful_info/

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