将軍・徳川吉宗に仕え隠密活動!江戸時代に本当にいたリアル忍者「御庭番」の正体とは?

今も昔も、私たちの心を掴んで離さない特別な存在「忍者」。小説やドラマ、近年では忍者をテーマにした大ヒット漫画も記憶に新しいのではないでしょうか。海外からも忍者に憧れて日本に訪れる旅行客が後を絶たないほど。
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いえいえ、忍者は本当にいたのです。今回は、江戸時代に将軍の手先となって仕え、隠密活動を行ったリアル忍者、「御庭番(おにわばん)」という役職をご紹介します。

御庭番(おにわばん)は、江戸時代の第8代将軍・徳川吉宗が設けた幕府の役職です。「御庭番」という名前にも理由があります。
ストレートに隠密だと分かる役職名を付けてしまっては、隠密の意味が全くありませんよね。というわけで、表向きには江戸城の庭の掃除や管理、そして見回りなどを仕事としていたため、御庭番と言ったのです。
なぜ彼らが庭にいたかというと、将軍というのは基本的に供連れの者が必ずいて、1人になれる自由な機会もなく、限られた機会に、江戸城の中でも限られた部屋に入る事の出来る、身分の高い人しかお目通りする事は出来ませんでした。
しかもその場合も、ほとんどは将軍の顔も見る事が出来ず、「ハハーッ」とかしこまっていることしかできませんでした。しかし、将軍が「気晴らしにちょっと庭に出てくる」と言った時だけは、そうした堅苦しい形式をとる事ができませんよね。
必然的に、少ない供の者だけを連れて、気さくに御庭を散歩、というシチュエーションができあがります。その時こそが、将軍のねらい目だったのです。
将軍吉宗のねらい
つまり、身分の低い忍者などが将軍に直接お目通りする事などもってのほかで、将軍が何か私的に隠密裏に調べてほしい物事が沸いた時に直接命令も受けられない。
しかしその隠密を、あえて御庭番という役職につけて常に庭に居させるようにすれば、将軍が散歩という名目でふらっと庭に出てきた時に、将軍から直接の命令を受けて秘密裡に諜報活動を行うこともできたのです。
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