清らかに流れるような〝紫陽花の川〟が美しい 奈良の「あぢさゐ回廊」今年も絶景

梅雨入り間近の、2025年6月4日。雨が続くと思うと憂鬱だが、それでも見に行きたくなる光景がX上に投稿され、話題となっている。
「清らかな川のように岡寺を彩る紫陽花」
ピアニストで写真家のKanata(@asagi_photo0921)さんがそんな呟きと共に投稿したのは、赤い鳥居へと続く長い道の写真。道の上には色とりどりのアジサイの鉢植えが並び、そして道の脇にも無数の青いアジサイの花が。
まさに川の流れのようなその景色にX上では6000件を超える「いいね」(6月6日時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「紫陽花の川 天国ですね」「おおー、ここ綺麗ですよね」「青色がほんとうに水のような紫陽花ですね」「紫陽花ですか? 色も形もエレガントです」
岡寺とは、奈良県の明日香村にある、西国三十三所観音巡礼の古寺。
撮影時の状況はどうだったのか? また、その時の感想は......? 投稿者・Kanataさんに聞いた。
紫陽花が川のように流れるKanataさんが話題の写真を撮影したのは6月2日午前11時40分ごろ。岡寺の奥之院へ続く参道の光景だという。

「昼前の時間帯、この参道は光と影のコントラストが強く出るため、少しでも光がやわらぐ薄曇りの瞬間を待つことに苦心した」と、Kanataさん。撮影時の感想については、こう語った。
「階段を彩る色とりどりの紫陽花も素晴らしかったですが、特に青い紫陽花が川のように流れる光景は圧巻でした。 また、紫陽花に囲まれたお地蔵様がとても可愛らしく、心が癒される瞬間がたくさんありました」(「Kanata」さん)
岡寺は、西国三十三所観音巡礼の奈良県霊場である壷阪寺、長谷寺、そしてこれらの寺と縁深い室生寺と共に、「大和観音 あぢさゐ回廊」を開催中(25年は5月24日~7月6日)。
四か寺がそれぞれの境内をアジサイで彩っている。
Kanataさんは昨年も「大和観音 あぢさゐ回廊」の時期にこの場所を訪れ、その美しさに感動。今年も再訪したそうだ。
「階段を彩る色とりどりの紫陽花も素晴らしかったですが、特に青い紫陽花が川のように流れる光景は圧巻でした。また、紫陽花に囲まれたお地蔵様がとても可愛らしく、心が癒される瞬間がたくさんありました」「写真でもその美しさは伝わりますが、実際に現地で見るとさらに感動的です。多くの方にこの景色を直接体験していただきたい思います」(Kanataさん)
「大和観音 あぢさゐ回廊」の期間中は、それぞれの寺で『あぢさゐ回廊 切り絵御朱印』や『あぢさゐ回廊 環花守(わっかまもり)』などを授与している。
また【あぢさゐ回廊 重ね色巡礼】も同時開催。壷阪寺・岡寺・長谷寺・室生寺に設置のスタンプを参拝者自身が重ね押して完成する紫陽花参拝記念朱印が、無料で授与されるそうだ。
梅雨に濡れる紫陽花は、ひときわ美しい。雨の憂鬱さも忘れてしまうはずだ。