なぜ太平の世・江戸時代に“鉄砲バブル”が巻き起こった!?江戸後期の武器ビジネスの実態【後編】 (3/4ページ)
これまでは、有名な堺の鉄砲鍛冶としては、大坂の陣で徳川方に貢献して特権を与えられた芝辻家や榎並家などが知られていました。
しかし井上家で見つかった古文書からは、新興勢力の同家がそうした家格の高い老舗を上回っており、商業分野における勢力交代が起きていたことが分かります。
このような形で新興勢力が台頭できた理由としては、高い「ビジネス力」が考えられます。
現代的な営業努力発見された文書群には、発注元の武家から送られた細かな注文書が多数残されていました。そこには鉄砲のサイズや銃身の文様といった各武家の要望が記され、鉄砲鍛冶は直接顧客とやりとりをしていたようです。
こうしたやり取りの中でオーダーメイドに応えられる技術力もあったようで、顧客を新規開拓したり、得意先をつなぎとめたりするために、井上家から武家に出された手紙も見つかっています。
