【江戸時代の捕縛道具】江戸では犯罪者をどう捕らえたのか?命懸けだった捕物出役の全貌 (3/3ページ)
特に刺又は、現在も不審者の捕縛などで使われることがあるので見たことがある人も多いでしょう。
町奉行所の捕物出役では生け捕りが基本であるため、いずれも犯人の身体に押し付けて、自由を奪って捕らえることを目的としていました。
治安維持の連係プレー犯人が立て籠っている現場に着くと、南北両町奉行所の与力は手筈を合わせ、月番は表の方、非番は裏の方を受け持ち、与力の命令で同心が踏み込みます。
相手が凶悪犯の場合は、4本の梯子を「井」の字に組んで犯人を囲み、四方から捕縛道具で攻め立てました。
ちなみに八丁堀には大きな道場があり、与力と同心のほか小者も剣術や柔術、十手術などを修練したといいます。
町奉行所の捕物は、このように与力と同心の連携、専門的な道具、そして厳格な訓練に支えられており、それをもって江戸の治安を守っていたのです。
生け捕りを重視した捕縛技術は、命を尊重しつつ秩序を維持する江戸社会の価値観を反映していると言えるでしょう。
このシステムは明治以降の近代警察制度の基盤となり、現代にも少なからぬ影響を与えています。
参考資料:縄田一男・菅野俊輔監修『鬼平と梅安が見た江戸の闇社会』2023年、宝島社新書
画像:photoAC,Wikipedia
トップ画像:徳川幕府刑事図譜より
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