尾張徳川家に伝わる家康の遺産や大名道具などを一堂に紹介する特別展「尾張徳川家 名品のすべて」開催 (3/3ページ)
張州雑志 内藤東甫編 百冊の内(部分)江戸時代18世紀 名古屋市蓬左文庫蔵
明治維新後の混乱期には蔵書の約3分の1が流出しましたが、残った蔵書に尾張藩の役所や別邸の蔵書、さらに旧藩士の旧蔵書などが加わりました。こうして受け継がれた蔵書を基に、昭和10年(1935)、名古屋の徳川美術館開館と同じ年に、19代当主徳川義親(よしちか)が東京目白に設立したのが「蓬左文庫」です。戦後は名古屋市に移管され「名古屋市蓬左文庫」となりましたが、現在に至るまで14万点もの貴重な書物類を伝えています。
名品4 未来へ託す文化――近代の購入品、寄贈品
重要文化財 黒織部筒茶碗 銘 冬枯 岡谷家寄贈 江戸時代17世紀 徳川美術館蔵
関東大震災や世界恐慌などをきっかけに、経済的に困窮した旧大名家は大名道具を売立(オークション)に出しました。本来であれば武家の誇りとして大切に継承されるはずの品々が散逸する様子を目の当たりにした19代義親は、売立品を購入すると同時に、尾張徳川家の大名道具を散逸させないための手段として、徳川美術館の設立を決意します。昭和10年(1935)の美術館開館後は、名古屋の豪商、岡谷家をはじめとする篤志家による寄贈品も加わり、徳川美術館の1万件を超えるコレクションが形成されています。
徳川美術館・蓬左文庫の開館90周年を記念して、その文化継承の歩みとともに紹介する秋季特別展「尾張徳川家 名品のすべて」は、2025年9月13日(土)~11月9日(日)の期間、徳川美術館で開催されます。
徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念 秋季特別展 尾張徳川家 名品のすべて
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