江戸浪人たちの内職「傘張り」はどのくらい稼げた?収支をリアルに計算してみたら… (3/3ページ)
※もちろん同時進行で作業したでしょうから、腕や作業スペース次第では、1日に10〜20本くらいは張れたかも知れません。
そうして張り替えられた傘の小売相場は、一般的に200〜300文(約5,000〜7,500円)と言われますが、腕が悪いと買い叩かれてしまう手合いもいたことでしょう。
先ほど、傘の材料にかかる原価率を20パーセントと見積りましたが、その場合はトータルで40~60文(約1,000~1,500円)ほどの計算になります。
ちなみに小売(消費者への直接販売)が許されず、問屋や地元の顔役がまとめて仕入れる卸売価格だった場合、浪人の収入はもっと減ってしまいます。
意外と悪くなかった?傘張りの稼ぎ
一日の作業ペースを5本とした場合の稼ぎを計算してみましょう。
売上高 1,000~1,500文(約25,000~37,500円) 原価 200~300文(約5,000~7,500円) 売上利益 800~1,200文(約20,000~30,000円)※その他の経費(夜間作業の油代、長屋の店賃など)は別。
こうして見ると、稼ぎとしては悪くないと思います。最低限ギリギリの暮らしでよければ、もっと少なくてもいけそうです。
ちなみに青山百人町(港区青山)に住んでいた甲賀組の者たちは傘張りに巧みだったそうで、天下泰平で失業した忍者の末裔たちが、傘張りで糊口をしのいでいたと言います。
一日5本の傘を張り替えながら糊口をしのぎ、仕官の日を夢見たのかも知れませんね。
※参考文献:
山田順子『本当に江戸の浪人は傘張りの内職をしていたのか? —時代考証でみる江戸の仕事事情』実業之日本社、2008年12月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan