「べらぼう」戻ってきた歌麿との絆!蔦重史上最高の“おふざけ”『写楽プロジェクト』完成を考察【前編】 (4/8ページ)
以前、吉原のお座敷で売る鶴屋(風間俊介)からその絵を見せられ破り捨てましたが、絵を手にした瞬間、「やりやがるな蔦重」という感心したような表情がほんの一瞬浮かんだ気がしたのですが…やはり、そう思っていたようです。
「よその本屋は俺に何も言わない。なんでもこれでいいという。蔦重の無茶が恋しくなった」という歌麿の言葉に、ようやく蔦重も安堵の表情を浮かべましたね。
クリエーターにしてみれば、なんでも「いいですねえ」「すごいですねえ」の称賛だけでは、不安になっていくもの。張り合いもなくなり、仕事へのやる気も薄れていってしまいます。絵師としても、他の本屋と仕事してもつまらないという鬱憤も溜まっていたところでしょう。
そして蔦重は、「とびきりの無茶」として、「以前ボツにした人相をあからさまに描いた役者絵を描いて欲しい」と頼みつつ歌麿の矢立(筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具)を渡しました。「おかえり」のようでも「おめえしかいねえんだよ」のようでもあり。
二人とも、照れも入った嬉しそうな表情だったのがホッとする場面でした。
役者の写生会で芝居がかる歌麿と鶴屋
歌麿やほかの絵師のために稽古場で直接、役者を見ながら写生をする場を設ける蔦重。
けれど、その時に歌麿がいたら「この役者の稽古を歌麿が写生していた」ということになり、「写楽は歌麿だ」ということになり、「源内が写楽だ」という噂を流す計画が台無しになってしまいます。